米司法省、トランプ氏納税記録の議会提出を財務省に指示
(CNN) 米司法省は30日、財務省に対し、トランプ前大統領の納税申告書を下院歳入委員会に提出するよう指示した。同委員会が最初に申告書の提出を求めたのは2年以上前にさかのぼる。
行政府に法的助言を提供する司法省法律顧問局(OLC)はこの日、指示内容を記した意見書を公開した。
これによると、OLCは「下院歳入委員長は前大統領の納税記録を請求する十分な理由を示した」と指摘。司法省による連邦法の解釈では、「財務省は歳入委に納税記録を提供する必要がある」とした。
歳入委と財務省は同日、同委員会のリチャード・ニール委員長が2019年7月に納税申告書の提出を求めて起こした訴訟に関し、裁判所に文書を提出するとみられている。以前の文書によると、議会とバイデン政権はこの訴訟の進行について数カ月にわたって協議してきた。
ニール氏はCNNに寄せた声明で、「私がこの数年主張してきたように、歳入委の根拠は非常に強力であり、法律は我々の側にある。司法省が同意したこと、我々が前に進めることに満足している」と述べた。
OLCの意見書によると、歳入委は今年6月、財務省に納税申告書を改めて請求した。CNNが入手した請求書面によると、歳入委は調査の範囲を当初から変更し、トランプ氏の利益相反など「ビジネス上のもつれた状況」や、これに関する内国歳入庁(IRS)の対応を理解することに新たに関心を示している。対象は15~20年としている。
トランプ氏はこの問題に個人の資格で介入してきた。今後も引き続き法廷で争う意向なのかは不明。トランプ氏の弁護士にコメントを求めたものの、現時点では応じていない。