米軍制服組トップ、トランプ氏の「クーデター」懸念していた 新著明かす
ワシントン(CNN) 昨年11月の米大統領選後、米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は当時のトランプ大統領とその同調者らがクーデターを企てるのではないかとの思いに駆られ、激しく動揺していた。ミリー氏をはじめとする軍高官らは非公式に計画を立て、それぞれ異なる手段でトランプ氏を止めようとさえしていた。CNNが入手した近く刊行予定の書籍の抜粋から、当時の状況が明らかになった。
当該の書籍は、ピュリツァー賞受賞歴のある米紙ワシントン・ポストの記者、キャロル・レオニグ氏とフィリップ・ラッカー氏の共著。そこに記された内容によるとミリー氏と他の参謀らは、違法、危険、あるいは分別のないものとみなしたトランプ氏からの命令を実行するよりも、1人ずつ辞任する計画を話し合った。
大統領としてのトランプ氏の最終年をまとめた同書「I Alone Can Fix It」は、20日に発売予定。大統領選の敗北以降不安定化に拍車のかかるトランプ氏の振る舞いに、政権高官や側近らがどう対応したかの内幕がつづられている。著者らはトランプ氏に対し、2時間を超えるインタビューも行った。
同書によると、ミリー氏の懸念は大統領選後の人事を受けて増大。トランプ氏の追随者が国防総省の要職を占めたことなどから、不吉な兆候を見て取ったという。
ミリー氏は友人や政治家、同僚らに対し、クーデターが起こる脅威について語っていた。そうした事態に備えなくてはならないとの思いを抱く一方、軍隊が行動しない限りクーデターが成功することは決してないと部下に強調してもいたという。