トランプ氏、側近との会話でヒトラー称賛か 新著が指摘
(CNN) 2018年、当時のトランプ米大統領がジョン・ケリー大統領首席補佐官との会話の中で、ナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラーを称賛したとの見方が浮上している。第1次世界大戦の停戦を記念する式典で仏パリを訪れていた時の出来事で、CNNが入手した米紙ウォールストリート・ジャーナル記者、マイケル・ベンダー氏の著書の抜粋から明らかになった。
ベンダー氏によれば、トランプ氏はケリー氏に対し「ヒトラーはたくさんいいことをした」と語った。このときケリー氏は、両大戦における米国の同盟国と敵国についてトランプ氏に説明していたという。
ベンダー氏はまた、トランプ氏がヒトラーを強く擁護したと指摘。ドイツの経済成長はヒトラーの主導の下で実現したとも主張したと述べた。
この出来事についてベンダー氏から問われたトランプ氏は、コメントの内容や当該の会話があったことを否定した。
トランプ氏の広報担当者は7日、CNNの取材に答え、抜粋の内容を完全に虚偽だと明言。「当時トランプ大統領はこのようなことを決して言っていない。作られたフェイクニュースだ。おそらく能力がなくて解任された将軍によるものだろう」と述べた。
CNNはケリー氏にコメントを求めたが返答はない。
ベンダー氏によると、ケリー氏はトランプ氏の当該のコメントに驚き、ヒトラーを支持するようないかなる発言もしてはならないと念を押した。他にもケリー氏の驚きぶりを証言する人物が複数いたとしている。
ベンダー氏の著書では、米国の一部の都市で昨年発生した大規模な抗議デモをめぐり、トランプ氏が暴力的な言動で鎮圧を訴える様子も詳述されている。
前出のトランプ氏の広報担当者は、この問題に関する内容も「虚偽」だとの見解を示した。