米記者の屋根裏に「ユナボマー」からの手紙、南米逃亡を検討か
(CNN) 米地方紙のジャーナリストが先月、自宅の屋根裏で古い手紙を見つけた。1970年代から90年代にかけて多くの爆弾事件を起こした「ユナボマー」ことセオドア・カジンスキー受刑者が、南米の逃亡先について助言を求めている内容だった。
サンフランシスコ・クロニクル紙に勤めるジャック・エプスタイン氏は妻に勧められ、パンデミック中の自宅でのプロジェクトとして屋根裏の掃除を始めた。
かつて中南米への格安旅行について書いた本の読者から寄せられた手紙を整理していると、1979年付で「隣の人が約8キロ離れているような南米の逃亡先を探している。あなたは南米に詳しいようなので助言をもらえないか」という内容の一通が出てきた。
差出人の「T・J・カジンスキー」という名前を見て、まずカジンスキー受刑者が頭に浮かんだ。ミドルネームのイニシャルも一致することが分かり、同受刑者だと確信したという。
手紙では南米に関する助言を求めていた/Courtesy Jack Epstein
カジンスキー受刑者の名前は当時、一般に知られていなかった。シカゴの大学で起きた爆弾事件をきっかけに、当局が捜査を始めたのは78年。96年になって弟が文章の特徴を指摘し、逮捕に至った。
エプスタイン氏がCNNとのインタビューで語ったところによると、同受刑者からもう1通、親切な助言に感謝するという手紙も届いていた。「親切にしてよかった。知らない相手に爆弾を送り付けていた人物だから」と、同氏は話している。