米CDC諮問委、高齢者へのファイザー製追加接種を推奨 医療従事者らは対象外
(CNN) 米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンの追加接種をめぐり、23日に開かれた米疾病対策センター(CDC)の諮問委員会で、高齢者らを対象に推奨することが決まった。ただし医療従事者への推奨は見送られた。
ファイザー製ワクチンについては、米食品医薬品局(FDA)が22日、65歳以上の高齢者や重症化と死亡リスクの高いグループ、職業上感染の危険が大きい医療従事者らを対象に追加接種を承認していた。
諮問委員会は長時間に及ぶ議論の末、ファイザー製ワクチンの接種完了から6カ月以上経過した65歳以上の高齢者と介護施設入居者に追加接種することを全会一致で推奨。基礎疾患のある50歳以上の年齢層についても賛成多数で追加接種を推奨した。
だが18~49歳の層については意見が割れた。基礎疾患のある場合については賛成9、反対6で推奨が決まったが、医療従事者らは推奨の対象から外れ、FDAと見解を異にする異例の結論となった。
CDCの研究者はこの日の会合で、100万人に追加接種してから6カ月間で防げる感染と入院の件数を年齢層別のモデルで示した。65歳以上では感染8000件、入院2080件を防げるのに対し、18~29歳で予防できるのは感染が9500件、入院は114件となる。入院に着目すると、1件の入院を防ぐのに必要な接種人数は65歳以上の481人に対し、18~29歳では8738人、30~49歳で3361人、50~64歳で2051人となる。
ファイザー製ワクチン接種後の最大のリスクとしては若年層の心筋炎が挙げられるが、このモデルでは18~29歳で心筋炎を起こすリスクが、接種100万回当たり女性4件、男性48件と推定されている。一方、65歳以上では接種100万回あたり男女あわせて1件にとどまる。
メンバーからは、追加接種で高齢者らの入院が防げる効果を認める一方、子どもなど未接種者の入院を防ぐことのほうが大きな課題だと指摘する声も上がった。