モデルナとJ&J製ワクチンの追加接種、米CDCが承認 一部委員から懸念も
(CNN) 米疾病対策センター(CDC)のロシェル・ワレンスキー所長は21日、モデルナとジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の新型コロナウイルスワクチンについて、ブースター(追加)接種の勧告を承認した。
ワレンスキー所長は違うメーカーのワクチンを組み合わせる混合接種も承認し、ブースター接種にどのワクチンを選ぶかは対象者が選択できるとした。
CDCのワクチン諮問委員会は同日、承認済みのファイザー製に加え、モデルナとJ&J製ワクチンのブースター接種を承認していた。
ファイザーとモデルナのワクチンは、2回目の接種から半年以上が経過した人のうち、65歳以上の高齢者のほか、18歳以上の長期療養施設入所者や基礎疾患のある人、職場などで感染リスクが高い人がブースター接種の対象となる。
J&Jのワクチンを接種した約1500万人については、18歳以上で2~3カ月前に接種を受けた人にブースター接種を勧告する。
これに先立ちCDCの予防接種の実施に関する諮問委員会(ACIP)は、モデルナのワクチンに関してそれほど広範な承認が必要かどうかを集中的に論議したうえで、それぞれのワクチンについて米食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可を承認した。
J&Jのワクチンについては、モデルナやファイザーのワクチンに比べて感染予防効果が低いことから、2度目の接種が必要だとする見解で一致した。
FDAは20日にモデルナとJ&J製ワクチンのブースター接種について緊急使用許可を出し、米国で承認済みの3種類のワクチンの混合接種も認めていた。
CDCはブースター接種に関する詳細なガイドラインを公表する予定。
CDC当局者によると、例えばJ&J製ワクチンによってまれに起こる血栓のリスクが高い若い女性の場合、ブースター接種はファイザーかモデルナのmRNAワクチン使用を検討することが望ましいかもしれない。
一方、mRNAワクチンによる心筋炎と呼ばれる心疾患のリスクが高い若い男性にブースター接種が必要な場合は、J&J製ワクチンの方が望ましいこともある。
ACIP委員の少なくとも1人は、それほど広範にブースター接種を奨励することに対して懸念を表明した。
ドレクセル大学医学校の小児科教授サラ・ロング氏は「何らかの年齢制限を設けて被害の軽減に努めたい」と述べ、ブースター接種が不要かもしれない人まで対象に含めれば接種を奨励することになり、副反応のリスクが懸念されると指摘した。
ニューヨークで医療施設を経営するACIP委員のジェームズ・ロー医師もロング氏と同じ意見で、「恐らくたくさんの人が、必要ないのにモデルナの追加接種を受けるだろう」としながらも、既にファイザーの追加接種が承認されていることや、追加接種を望む人が多いことなどを理由に、「不本意ながら、モデルナのブースターについては同様のパターンを勧告し、ジャンセン(J&J)のブースターについてはもっと強い賛同の意をもって勧告する方に傾いている」とした。
J&Jの最高科学責任者ポール・ストフェルズ医師は同社製のワクチンについて、「1回接種のJ&Jワクチンを接種した後、ブースターとして接種すると、米国で新型コロナウイルス感染症に対して94%の予防効果があった」との声明を発表した。