米海軍技術者、原潜の機密を外国に売ろうとした罪認める
ワシントン(CNN) 米海軍の原子力技術者、ジョナサン・テーベ被告(43)は14日午後、連邦裁判所で重罪1件について有罪を認めた。同被告は4カ月前、原子力潜水艦に関する機密情報を暗号通貨と引き換えに他国に売ろうとしたとして、妻とともに逮捕されていた。
検察が読み上げた司法取引の内容によると、テーベ被告には禁錮12~18年が言い渡される見通し。当初起訴されていた3件の重罪の最高刑はいずれも終身刑だった。
最終的な量刑は被告の有罪答弁を受理した判事と別の判事が後日言い渡す。この判事には司法取引の内容と異なる判決を言い渡す選択肢もある。
量刑言い渡しの期日はまだ確定していない。テーベ被告の勾留はその日まで継続される。
14日の裁判で、テーベ被告は妻と「機密データを外国に送付する共謀をした」と認めた。「米国に損害を与える」意図があったとしている。勾留中の妻のダイアナ被告も重罪3件で起訴されているが、こちらは罪を認めていない。
ダイアナ被告は再三保釈を試みている。夫の計画については知らなかったと主張するが、実際にはテーベ被告とともに複数あった機密情報の引き渡し場所に出向いていた。
テーベ被告が外国政府に対して核機密の提供を最初に持ちかけたのは2020年4月。公表されていない当該の政府が被告からの通知を米連邦捜査局(FBI)に転送したと、刑事告訴状は説明する。
FBIの覆面捜査員が数カ月後、暗号化された電子メールプログラム経由で返信し、同被告とやり取りを交わした。覆面捜査員を信頼した被告は、数千ドル相当の暗号通貨と引き換えに、情報を売り渡すことに同意したとされる。
今回の司法取引でテーベ被告は検察に協力することで同意。FBIから捜査中に支払われた10万ドルも返還すると約束した。
昨年10月の法廷審問で検察が明らかにしたところによれば、政府はテーベ被告が盗み出したとみられる機密データを依然として見つけられていない。検察は、それが表に出れば海軍に著しい損害を与えかねないと警鐘を鳴らしていた。
司法取引の一環として、テーベ被告は連邦当局者が当該の機密情報を見つけ出すのを支援することに同意している。