米国の「秘密の戦争」暴く図書館新設、史上最悪のラオス爆撃に脚光
最も貴重なコレクションは、米軍による爆撃を直接体験した難民のスケッチ集かもしれない。手書きのスケッチは、家族や隣人が目の前で殺害される残酷な光景を目の当たりにした村の住民が描いたもので、米国人活動家のフレッド・ブランフマン氏が70年代に難民キャンプを訪れた際に収集した。
図書館は現在、ラオスの秘密の戦争のみに照準を合わせているが、今後は対象を拡大してカンボジアやベトナムの爆撃に関する資料も網羅したい意向。
ラオスの秘密の戦争の影響は、今も続いている。
ラオスに投下された200万トンあまりのクラスター弾のうち、推定3分の1は爆発しなかった。そうした銃弾や砲弾、手投げ弾、地雷などの不発弾は今も爆発する恐れがあり、ラオスの住民を危険にさらし続けている。
ラオスでは64年以来、推定5万人がそうした不発弾のために死傷した。その多くは子どもだった。レガシーズ・オブ・ウォーは何十年もの間、そうした不発弾処理に米連邦予算を充てるよう訴えてきた。米政府は93年から不発弾処理の支援に乗り出し、2010年からは予算を大幅に増額している。
同団体は、新しい図書館によってそうした活動に弾みが付くことを期待する。
ロシアによるウクライナでの戦争が続く中、ラオスで起きたことを繰り返してはならないと関係者は訴える。「クラスター爆弾を使用してはならない。なぜなら50年たってもまだ、私たちは除去作業を続けているのだから」とレガシーズ・オブ・ウォーのアリーナ・インサリー氏は語った。