米国の「秘密の戦争」暴く図書館新設、史上最悪のラオス爆撃に脚光

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ベトナム戦争中、米軍によって大量の爆弾を投下されたラオスの街を歩く女性/Jorge Silva/Reuters

ベトナム戦争中、米軍によって大量の爆弾を投下されたラオスの街を歩く女性/Jorge Silva/Reuters

(CNN) 米国人のほとんどは、ベトナム戦争について学校である程度のことを学ぶ。しかしその陰で行われていた戦争のことを知る人は少ない。

1964年~73年にかけ、米国は200万トン以上の爆弾を東南アジアの小国ラオスに投下した。これは当時のラオスの人口にほぼ匹敵する。ベトナム戦争中にラオスに落とされた爆弾の数は、第2次世界大戦中にドイツと日本に落とされた爆弾を合わせた数を上回る。人口当たりに換算すると、ラオスは史上最も激しい爆撃を受けた国だった。

この爆撃は、ラオスとベトナムを結ぶ共産主義勢力の供給線を断つ目的で、米中央情報局(CIA)が秘密裏に実施した。このラオスの「秘密の戦争」は、71年の米議会公聴会で明るみに出てマスコミにも報じられたが、その規模の大きさや惨状について、ほとんどの米国人は知らないままだった。

その歴史をもっと多くの人に知ってもらおうと、支援団体の「レガシーズ・オブ・ウォー」が新しい仮想図書館を開設した。

関係者はラオスで起きたことの全容を明らかにするため、書籍、映画、文書など膨大な量の資料を綿密に調査した。秘密の戦争の歴史について知ってもらうことで、今も続く被害についても認識を高めたい考えだ。

図書館の構想が生まれたのは2020年、同団体のセラ・クーラブダラ代表と、作家でジャーナリストのジェシカ・ピアース・ロトンディ氏がSNSで交わしたチャットがきっかけだった。

ロトンディ氏は秘密の戦争と個人的なつながりがあった。同氏の回顧録によると、母の死後、箱に入った手紙とCIAの文書が見つかり、1972年の戦争中に失踪したおじのジャック氏にまつわる家族の謎を解き明かすことで、秘密の戦争による惨状が浮かび上がった。

図書館には歴史の断片を物語る書籍や記事、文書が集められている。「1つのテーマだけを研究している学生のための超学術的な図書館にはしたくなかった」とロトンディ氏は言う。

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