米国務長官、ロ外相交じる写真撮影を一切拒否へ G20会議
(CNN) インドネシア・バリ島で開かれる主要20カ国・地域(G20)外相会議に出席する米国のブリンケン国務長官が、同会議の参加者を対象にした公式の集団写真撮影などにロシアのラブロフ外相が交じっていた場合、合流を一切拒否する方針であることが7日までにわかった。
この方針策定に通じる米政府当局者が明らかにした。長官はまた、会議の場をラブロフ外相がウクライナ戦争について示す虚偽の言動に反論する機会と位置づけているともした。
米欧外交筋によると、米国と主要7カ国(G7)の同盟国は過去数週間、G20外相会議にラブロフ外相が同席することへの対応策を協議。様々な案が出され、英政府当局者はG7全体として会議参加への完全拒否も打診したという。結局、この案は通らなかった。
ブリンケン長官は現段階では、同盟国と一緒にあらかじめ準備した議場からの退場などに加わる考えはない。議場での議論の流れをロシア側に譲るような行動ではなく、ロシアの言い分に挑戦する舞台にすることをバイデン政権が望んでいることが背景にある。
同会議を主催するインドネシア政府を困惑させたくないとの意図もあるという。
外交筋によると、米国はG20外相会議をG7の同盟国と結束した行動を見せつける場所にしたいとの思いがある。ブリンケン、ラブロフ両氏が同一の場所に居合わせるのはロシアによるウクライナ侵攻後、初めてとなる。
バリ島では今年11月に主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の開催も予定されている。G20外相会議でのブリンケン氏によるラブロフ外相への対処のあり方は、G20サミットに米ロ首脳が参加した場合、バイデン大統領のプーチン大統領への接し方を予期させるものともなる。
一方、米国務省のプライス報道官は6日、ブリンケン長官はG20外相会議でラブロフ外相との個別会談は予定していないと表明。接触することは時宜にかなっていないと述べた。
G7加盟国は全員がG20の構成国ともなっている。