米ノババックスのコロナワクチン、FDAが緊急使用を許可
(CNN) 米食品医薬品局(FDA)は13日、米ノババックス製新型コロナウイルスワクチンの成人向け緊急使用を許可した。米国で入手可能な4つ目のワクチンとなるが、他の3つのワクチンとは違う技術を利用している点が特徴となる。
接種対象者は18歳以上で初めて新型コロナワクチンを接種する人で、接種回数は2回。
FDAのワクチン・関連生物製剤諮問委員会は先月7日、本ワクチンは成人に対してリスクより便益が上回ると判断して承認していた。既に世界170カ国で利用されている。
今後は米疾病対策センター(CDC)の諮問委員会がワクチンを推奨し、CDC局長が署名すれば米国内での接種が始まる。
ノババックス製ワクチンは、既存のB型肝炎や百日ぜきのワクチンと同様に、たんぱく質を基に作られている。ウイルスのたんぱく質の害がないかけらを利用し、免疫システムにウイルスの特定と撃退の方法を教える。ワクチンは新型コロナウイルスの初期系統の遺伝子配列から作られている。
また他の新型コロナワクチンと異なり、標準的な冷蔵で保存可能な点も特徴となっている。
米国では約3人に1人、1億人以上がまだワクチンを接種していない。より身近な技術を使ったワクチンの登場で接種が進むことを当局者は期待している。
ノババックスのスタンリー・アーク社長兼最高経営責任者(CEO)はCNNに対し、同社ワクチンを他のワクチン接種後の追加接種(ブースター)にも利用できるように早期に許可を得たいと語った。
同社によると、臨床試験の後半段階では、軽度、中程度、重度の症状に対するワクチンの有効性は90.4%だった。感染に対する有効性については評価に必要な証拠が十分集まっていないという。
同社は今月初旬、オミクロン株の変異系統「BA.4」「BA.5」を含む流行中の変異株に「幅広い」免疫応答を同社ワクチンで確認しているとも発表した。
同社ワクチンは連邦政府の「ワープ・スピード作戦」から資金援助を受けて開発された。バイデン政権は11日に接種320万回分のワクチンを確保したと発表している。
アークCEOは、2歳以上を対象とするワクチンの提供も計画していると発言。数カ月以内に有効性のデータをそろえ年内に接種を始めたい考えを示した。