米司法省、イラン革命防衛隊メンバーを訴追 ボルトン元補佐官暗殺を企てた疑い
(CNN) 米司法省は10日、トランプ政権やブッシュ政権で国家安全保障担当大統領補佐官を務めたジョン・ボルトン氏の暗殺を企てようとしたとして、イラン革命防衛隊(IRGC)のメンバーの訴追を発表した。
司法省は暗殺計画について、米国が2020年1月に行った空爆でIRGCの特殊部隊「コッズ部隊」のカセム・ソレイマニ司令官を殺害したことに対する報復を企てたようだとの見方を示した。この空爆後、イラン革命防衛隊は報復を宣言していた。米政府はIRGCをテロ組織に指定している。
訴追されたのはIRGCメンバーでイラン国籍のシャラム・プルサフィ容疑者。まだ逮捕はされていない。同容疑者は米国内の人物に30万ドル(約4000万円)を支払ってボルトン氏を殺害させようとしたほか、「2番目の仕事」のために100万ドルを用意していたとされる。
捜査に詳しい関係者によると、マイク・ポンペオ前国務長官もイランの暗殺計画の標的になっていたといい、「2番目の仕事」はポンペオ氏のことだった。
対イラン政策でタカ派として知られるポンペオ氏は、ソレイマニ司令官を殺害したトランプ政権時代の国務長官だった。
調べによると、プルサフィ容疑者は米連邦捜査局(FBI)への情報提供者だった米国内の人物に接触し、ボルトン氏の写真を撮るよう依頼。その後、ボルトン氏を排除するために人を雇いたいと持ち掛け、情報提供者と暗殺者の身は守ると約束した。
情報提供者は昨年11月に米首都ワシントンを訪れてボルトン氏のオフィスの写真をプルサフィ容疑者に送り、プルサフィ容疑者は人の出入りが多いこの建物のガレージで、殺害を実行するよう促したとされる。
プルサフィ容疑者は嘱託殺人遂行の目的で州間商業施設を利用した罪や、殺人計画を物質的に支援しようとした罪に問われている。