70年前の黒人少年惨殺、発端となった証言の白人女性不起訴 米ミシシッピ州
(CNN) 米ミシシッピ州で黒人少年のエメット・ティルさんが惨殺された約70年前の事件をめぐり、同州レフロア郡の大陪審は、この少年に言い寄られたと訴えた白人女性を不起訴とした。エメットさんが殺害されたのは、この女性の証言が発端だった。
地区検察の発表によると、不起訴となったのは80代のキャロライン・ブライアント・ドナムさん。先週行われた審理では捜査員や目撃者が証言に立っていたが、大陪審は、誘拐と殺人の罪でブライアント・ドナムさんを起訴するための証拠が不十分と判断した。
大陪審は、2004年から現在に至るまでのこの事件の捜査に関する目撃者の証言に耳を傾けていた。
エメットさんの殺害は、米国の公民権運動に火が付くきっかけになった。
エメットさんの遺族はこの夏の初め、ブライアント・ドナムさんと、その夫や夫の兄弟(いずれも故人)に対する未執行の逮捕状が見つかったと発表していた。
米紙ニューヨーク・タイムズ紙によると、逮捕状の裏には、ブライアント・ドナムさんは当時、居場所が特定できなかったために逮捕されなかったと記されていた。
エメットさん殺害事件は全米に衝撃を与えたにもかかわらず、今に至るまで誰も刑事責任を問われていない。