イーロン・マスク氏、テスラ株9300億円分を売却
ニューヨーク(CNN Business) 米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が最近、同社の株790万株、69億ドル(約9300億円)相当を売却したことが分かった。
5~9日に売却し、9日夜に米証券取引委員会(SEC)に報告した。
マスク氏は4月にも、米ツイッターを買収する合意が成立した直後に約85億ドル分のテスラ株を売却し、「今後さらに売却する予定はない」と述べていた。
しかしその後、ツイッターの情報開示に問題があるとして買収の撤回を発表。ツイッター側は買収履行を求めて提訴している。
マスク氏は株式売却の理由を説明していないが、ツイッター上で9日、テスラ株の売却はこれが最後かと聞かれて「そうだ」と返した。また、ツイッターの買収を強いられる事態に備えることが重要だとも述べた。買収が成立しなければテスラ株を買い戻すのかという質問にも「そうだ」と答えた。
アナリストらは今回の売却について、テスラに投資する株主が最も恐れていた事態だと指摘する。理由の説明がないことで、不安感に拍車がかかっているとの見方もある。
マスク氏が4月より前にテスラ株を売却したのは、主に納税の原資にすることが目的だった。昨年末に1570万株を手放した時の株価は平均1046ドルだったが、4月には883ドル、最近の売却時は869ドルに下がった。
マスク氏は売却後もテスラ株1億5500万株を保有している。ストックオプション(自社株購入権)を加えた持ち株比率は約20%になった。