機密文書の発見、「予想できたはず」とトランプ氏 「捜査妨害」の指摘に回答
(CNN) 米国のトランプ前大統領は8月31日に裁判所へ提出した文書の中で、大統領関連資料の収集と整理を担う国立公文書館について、自らが引き渡したホワイトハウスの記録の入った箱15箱から機密文書が見つかるのは予想できたはずだと主張した。
これらの箱は今年1月、フロリダ州パームビーチにあるトランプ氏の邸宅「マール・ア・ラーゴ」から回収された。大統領関連の記録なのだから機密文書が見つかるのは想定されていたはずだというのがトランプ氏の見方だ。
当該の提出文書はマール・ア・ラーゴで機密文書が見つかったことを認めつつ、それは本来警戒を要することではなく、邸宅の捜索に踏み切るべき事案でもなかったと指摘する。
トランプ氏は今回の文書を足掛かりに、検察の主張に対して正式に回答した形だ。検察は同氏の弁護士チームが捜査に対する「妨害行為」をはたらいたと断定。マール・ア・ラーゴで文書を隠したり、捜査員に対し現場に残る機密文書の数について事実と異なる情報を提供したとみている。
捜査には自身が2024年の大統領選に出馬する可能性を念頭に置いた政治的背景があるとにらむトランプ氏は、司法省が自分たちの不当な追及への評価について責任を担えるとする見方を一笑に付した。トランプ氏によれば同省が目指しているのは、前大統領が個人的記録及び大統領関連記録を安全な環境で所持するのを犯罪化することに他ならない。
司法省は裁判所に提出した文書の中で、家宅捜索に先駆けて連邦捜査局(FBI)がトランプ氏のチームによる文書隠しの証拠固めを行ったと指摘していた。同チームはこれより前、全ての機密文書は6月の時点で引き渡したと主張していた。
「今回の犯罪捜査に踏み切るのを正当化したとみられるものは、秘密の情報を発見したという主張に他ならない。その情報は大統領関連の記録を収めた15個の箱に入っていたとされている」と、トランプ氏の弁護士らは記した。その上で「しかし、この『発見』は完全に予想できたものだった。大統領関連の記録というまさにその性質を考えればそうなる。平たく言うと、大統領関連の記録に秘密の情報が含まれるとの見方を、警戒の原因とするべきではなかった」と指摘した。
トランプ氏の弁護士らはまた、大統領記録法に基づき公文書館は引き続き誠実な取り組みによって確実に大統領関連記録を回収するべきだったと主張。司法省に刑事捜査を要請したことについては否定的な見方を示した。
一方トランプ氏は、自らの運営するソーシャルメディアプラットフォーム、「トゥルース・ソーシャル」への31日の投稿で、マール・ア・ラーゴで回収された文書の写真に触れた。床に無造作に文書を並べたFBIのやり方を非難し、FBIにとって秘密にしておきたかった内容にもかかわらず写真に撮り、公開したことに疑問を呈した。
さらに「私が機密解除していて幸運だった」と言い添えた。
実際のところ写真に写っていたのは機密文書の表紙のみで、最重要の情報の中身ではなかった。また情報の機密が本当に解除されたことを示す証拠もない。