米NY州司法当局、トランプ前大統領らを提訴
訴訟では、不正に得たとされる2億5000万ドル(約360億円)を返済し、トランプ前大統領と3人の子どもがニューヨーク州で登記された企業の役員となることを恒久的に禁止するよう求めている。さらに、トランプ・オーガニゼーションの事業認可取り消しも求めており、もし認められれば実質的に同社はニューヨーク州での営業ができなくなる。
トランプ前大統領は以前、ジェームズ司法長官を「裏切り者検事」と形容し、「報復目当てで自分のために法的探りを入れている」と非難していた。トランプ・オーガニゼーションも「事実無根」だとして一切の不正を否定していた。
21日の発表を受けてトランプ氏側の弁護士はCNNに声明を寄せ、「本日の提訴が照準を合わせているのは事実でも法でもない。照準は司法長官の政治目標を前進させることのみにある。司法長官事務所は法的権限を逸脱し、一切の不正が行われていなかった取引を詮索(せんさく)している」と訴えた。
トランプ前大統領は、自身が経営する会社の財務諸表の正確性や、2020年の大統領選挙に対する干渉疑惑、大統領退任後の機密文書の扱いなどをめぐって連邦検察や州検察の犯罪捜査対象となっている。本人は一切の不正を否定している。