トランプ氏と金正恩氏との書簡が行方不明に 公文書館から弁護士に警告
(CNN) トランプ前米大統領が北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記との間で交わした書簡が行方不明になっている件について、大統領関連資料の収集と整理を担う国立公文書館が昨年5月、トランプ氏の弁護士らに向けて警告を発していたことが分かった。同館が3日公開した新たな通信記録で明らかになった。
国立公文書館のスターン法務顧問は2021年5月6日、ホワイトハウスでトランプ氏の弁護士を務めていた3人に対し、同氏が金氏と交わしていた書簡並びに前任のオバマ元大統領から受け取った書簡の行方が分からなくなっていると警告した。この件を伝える通信記録は、情報自由法に基づく要請を受けて3日に公開された。
当該の電子メールの中でスターン氏は弁護士らに協力を呼び掛けた。公文書館としてあらゆる大統領関連の記録を確実に受領し、法律の要請に応えようとしているという。
その上で、およそ20箱分の大統領関連の記録について、トランプ氏の任期最後の年を通じてホワイトハウスに保管されており、公文書館に引き渡されたことはなかったとの認識を示した。
公文書館がトランプ氏のチームと数カ月にわたり連携した結果、今年1月には同氏が自宅の「マール・ア・ラーゴ」で保管していた15箱分の資料を引き渡していた。3日に公開されたやり取りは、この間の連携の詳細を新たに伝えるものだ。
公文書館はこのほか、トランプ政権からの電子記録の入手も目指していると明かした。先月30日には下院監視委員会に宛てた書簡の中で、まだトランプ政権から必要な記録を全て入手したわけではないと説明。当局者らが個人の電子メールを使って公的な政府業務を行っていたのがその理由だとし、そうした記録を法律の下で求められているようには引き渡さなかったと指摘した。
公文書館は今年初め、トランプ氏から引き渡された文書に大量の機密文書が含まれていたことを司法省へ伝えていた。
ただ同館は通信記録の大部分について、情報自由法の適用対象外との理由から公開に踏み切っていない。1000ページを超える規模のこれらの記録には司法省による現行の捜査や、公文書館がトランプ氏の弁護士らとの間で行った検討の内容などが含まれている。