中国企業、ロシアに殺傷力ない装備品を売却か バイデン米政権が懸念伝達
(CNN) 中国企業がロシアにウクライナで使う殺傷力のない装備品を売却している可能性を示す証拠があるとして、バイデン米政権が中国に懸念を表明したことが分かった。米当局者2人が明らかにした。中国政府が取引についてどの程度認識しているか確認する目的で懸念を伝えたという。
欧米の諜報(ちょうほう)に詳しい複数の情報筋によると、売却された装備品には防弾チョッキやヘルメットなどが含まれる。ただ、ロシアの求める強力な軍事支援は行われていない。
米当局者の一人は装備品の移転について「憂慮すべき」ものだと述べたものの、米政権は現時点で、中国中央政府が売却を認識しているのかどうか把握していない。中国では国営企業が経済を支配しているが、全てに日常的な監視の目が及ぶわけではない。
米当局者の間では、中国政府は装備品の移転について把握しており、対策を講じるべきだとの見方もあるという。
バイデン政権は依然、支援の影響や重要性を見極めている段階だが、米当局者の間ではこの問題への懸念が高まっている。
ブリンケン国務長官は今後数週間のうちに中国を訪れる予定で、装備品の移転についても議題になるとみられている。
CNNは在米中国大使館にコメントを求めている。バイデン政権と中国政府の接触についてはブルームバーグ通信が最初に報じた。
中国中央政府がロシアの侵攻を意図的に支援している、あるいは支援について認識しながら許容していると判断した場合、バイデン政権はどの程度強い対応を取るか決定を迫られることになる。
中国とロシアは開戦前、両国の「友好関係には限界がない」と表明。ただ、ロシアの進軍が減速し、国際社会がウクライナ側に結集するなか、中国はロシア政府の求める財政、軍事支援の提供には踏み込んでいない。