法曹一家の米元弁護士、妻子殺害で終身刑
(CNN) 2021年6月に米南部サウスカロライナ州アイラントンで元弁護士の妻子が殺害された事件で、有罪評決を受けたこの元弁護士に対し裁判所は3日、仮釈放なしの終身刑を言い渡した。
アレックス・マードー被告(54)は地元で有名な法曹一家の後継者。妻のマーガレットさんと息子のポールさんは21年6月7日、一家の家の敷地内で射殺されているのが見つかった。
マードー被告は先週の証言で2人の殺害を否認。同日の晩、病気の母親を短時間見舞って帰宅したところ遺体を発見したと主張していた。一方で、事件発生直前にいた場所の説明で捜査員にうそをついていたことを認め、薬物中毒による偏執症が原因だったと説明した。さらに、顧客や法律事務所から数百万ドルを窃取し、それを隠そうとしたことも認めた。
クリフトン・ニューマン判事は被告とのやり取りの中で、当時夜間に被告が就寝しようとする際には必ず妻子と顔を合わせていたはずだと指摘した。これに対し被告は「毎晩そうしていた」と答えた。
判事はまた、法廷内にかつて地元の検察官を務めていた被告の祖父の肖像が飾られていたことにも言及。公正な裁判を行うため、事前にその肖像を法廷から持ち出さなくてはならなかったとしたうえで、被告本人の証言を含む弁護側の主張は「信用できるものではなかった」と告げた。
量刑の言い渡しを受け、被告の弁護士らは10日以内に控訴する計画だと明らかにした。弁護士の1人は3日、CNNの取材に答え、被告は有罪評決に「納得していない」ものの「予想はしていた」と語った。