ロシア、核兵器への依存増大 ウクライナでの損失受け 米分析
(CNN) 米情報機関は9日までに、ウクライナでの苦戦を受けロシアは今後、核兵器などへの依存度を強めるだろうとの分析結果を明らかにした。
機密扱いではない年次の脅威評価に関する報告書で述べた。核兵器のほか、サイバー戦や宇宙空間で駆使し得る能力への傾斜を深めるだろうともした。
米国家情報長官室は報告書の中で、ウクライナの戦場で被った重大な損失を受け、「ロシアの空陸における通常戦力は衰退し、核兵器頼みの度合いが増した」と指摘した。
ウクライナへの侵略に伴うサイバー戦術はその頻度と影響力において当初想定していた水準に至ってはいないが、ロシアは依然、サイバー空間で最大の脅威であることに変わりはないと主張。サイバー上でのスパイ活動、影響力を及ぼす行動や攻撃を仕掛けていると述べた。
ヘインズ国家情報長官はロシアのプーチン大統領は「核兵器の威嚇」を見せつけ、西側諸国によるウクライナへの新たな支援の封じ込めを図っているとも説明。
米連邦議会で8日、「彼(プーチン氏)はおそらく、ロシアは最終的にウクライナを軍事的に破ることが可能との確信を依然抱いている」と述べた。西側の支援で戦力格差が崩れ、北大西洋条約機構(NATO)との紛争を強いられることを防ぎたいと考えているだろうと見立てた。
米情報機関幹部らは8日、上院情報委員会でこの報告書について説明してもいた。