米上院、イラク戦争の承認撤回に前進 バイデン氏も支持を示唆
ワシントン(CNN) 米連邦議会上院は16日に採決を実施し、イラクでの2つの戦争を承認した決議を撤回する法案について、審議を進める決定を下した。国会議員らのこうした動きは、国外の軍事介入における自分たちの権限を改めて主張することを念頭に置く。
法案を巡る最後の採決は、来週初めに予定されている。
採決は賛成68票に対し、反対27票。党派で票が分かれることはほぼなかった。法案の共同提案者には共和党議員12人も名を連ねる。
ホワイトハウスは同日、採決に先駆けて法案への支持を表明した。これが成立すれば1991年と2002年に行われたイラクに対する武力行使の承認が撤回される。戦争が正式に終結することになり、宣戦を巡る議会の権能を再確認する象徴的な意味合いも持つ。
国会議員らは過去数年間で、当該の武力行使承認決議(AUMF)の撤回に取り組んできたものの成功を収めていなかった。この決議は大統領に広範な権限を与え、議会の承認なしに軍事作戦を遂行することを可能にする。
歴代大統領は02年のAUMFを活用し、本来の範囲を超えた軍事作戦を行ってきた。
オバマ元大統領は過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」のテロリストに対する空爆を正当化。トランプ前大統領もAUMFを理由に攻撃を承認し、イラン・イスラム革命防衛隊のソレイマニ司令官をイラク首都バグダッドで殺害させている。
ホワイトハウスは声明で決議の撤回について、「現行の米軍の作戦に影響は全くなく、政権の取り組みを支えるものになるだろう。政権はイラクのパートナーと強固で包括的な関係を結ぼうと努力している」と述べた。
民主党のシューマー上院院内総務は上院の議場で、イラク戦争開戦から20年の節目となる今年、AUMF撤回の法案が成立するのを期待すると述べた。