新たな米大統領専用機の機体彩色を発表、トランプ氏要望を「却下」
新型機製造にあたっては工期の遅れが既に判明している。
空軍によると、今回の配色決定は米ボーイング社による航空工学上の作業や飛行に必要な耐空証明の準備をはかどらせるためバイデン大統領が決定した。同社の747−8I型機を下敷きにした新型のエアフォースワンは2機製造する。
最初の1機の納入は2027年に、2機目は1年後の予定。空軍によると、新たな彩色に要する経費は製造契約に追加で盛り込まれないともした。
ボーイング社との契約は18年に発表。当時のトランプ大統領は21年までの引き渡しを求めたが、愛国的な色彩とする配合を突きつけたため事業の遅延が生じる誘因にもなった。トランプ氏は当時、「最高級の水準(の専用機)であるべきであり、赤、白と青色での彩りが適切」などと主張していた。
ただ、その後に新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)、人材不足や設計上の工程の問題などに襲われ、事業の遅れを余儀なくされていた。
これら山積する問題を踏まえボーイング社のカルフーン最高経営責任者(CEO)は昨年、総額39億ドルだった新たな大統領専用機の製造契約への調印は、直面している損失額を踏まえれば同社にとって失敗だったとの悔いも表明。契約内容に「社がおそらく受け入れるべきではなかった非常に特殊な一連のリスクを背負い込む条件」が盛り込まれていたことも明かしていた。