訪問先の家を間違えた黒人少年、銃撃され負傷 住人の白人男を訴追へ 米
(CNN) 米ミズーリ州カンザスシティーで16歳の黒人少年が訪問する家を間違えて呼び鈴を鳴らし、この家の住人に銃撃される事件があった。同州クレイ郡検察は17日、少年を銃撃して負傷させたとして、この家の持ち主の男を2件の重罪で訴追すると発表した。
暴行罪と武装犯罪行為の罪に問われているのは白人のアンドルー・レスター容疑者(84)。検察によると、同容疑者の逮捕状が出ているが、まだ逮捕には至っていない。
検察は記者会見で「この事件には人種的な要素があった」との見方を示した。
事件が起きたのは13日夕。きょうだいを迎えに行ったラルフ・ヤールさん(16)が訪問先の家を間違え、レスター容疑者に銃撃された。検察によると、銃撃される前にヤールさんがレスター容疑者と言葉を交わした形跡はなかった。ヤールさんが家に入った形跡もなく、レスター容疑者がガラス戸越しに32口径の回転式拳銃でヤールさんを銃撃したことを示す予備的証拠があるという。
カンザスシティー警察がCNNに語ったところによると、容疑者は13日深夜、一時的に勾留されたが、約2時間後の14日午前1時24分に釈放されていた。
検察はその理由について、さらなる捜査が必要だと警察が判断したためと説明している。
ヤールさんの家族側の弁護士は訴追の発表について、「正しい方向に向けた第一歩だが、今後もラルフのために戦い続ける」との声明を発表した。
警察が銃撃の通報を受けて現場の住宅に駆け付けたのは、13日午後10時ごろだった。ヤールさんはこの住宅の前で撃たれていた。