トランプ氏の詐欺訴訟、本人出廷で公判初日迎える

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自身と一族企業に対する民事訴訟で公判初日に出廷したトランプ前大統領(中央)/Brendan McDermid/Pool/Reuters

自身と一族企業に対する民事訴訟で公判初日に出廷したトランプ前大統領(中央)/Brendan McDermid/Pool/Reuters

(CNN) 米国のトランプ前大統領は2日、ニューヨーク市マンハッタン区の裁判所に出廷し、自身と自身の名を冠した一族企業に対する民事訴訟の初日に臨んだ。公判中は裁判を担当する判事とニューヨーク州の司法長官を可能な限り攻撃する姿勢が見受けられた。

同州裁判所のアーサー・エンゴロン判事は先週、 トランプ氏と共同被告らに対し、約10年間にわたり虚偽の財務諸表を提供していたとして、詐欺で有責との判断を下していた。

法廷内では、トランプ氏の弁護士らも冒頭陳述で判事と論戦を繰り広げ、戦闘的な姿勢でこの裁判に臨む構えを示唆した。エンゴロン判事は、裁判が12月まで続くと予想している。

ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官の提訴による今回の裁判は民事であって刑事ではない。それでもトランプ氏の同州でのビジネスに脅威を及ぼしている。同氏の出廷は、本人がこの訴訟について他の裁判と同様に緊急性が高いと見なしていることを裏付ける。

トランプ氏は、ジェームズ氏やエンゴロン氏を非難する中で、両者を自身に対する刑事訴訟と結びつけようとした。ジャック・スミス特別検察官が起こした刑事訴訟と両者につながりはない。

トランプ氏は法廷に入る前、「これは選挙介入に間違いない。単純な話だ」と指摘。自身にダメージを与えることが目的だとの見解を示した。昼食のため法廷を出る際には廊下でカメラに向かい、公判の内容への不満を口にした。判事を「工作員」と非難し、自身への有責の判断を理由に判事の資格を剥奪(はくだつ)するべきだと主張した。

なぜ自ら出廷したのかとの問いには、「魔女狩りをこの目で見たかったからだ」と答えた。

司法長官側の弁護士を務めるケビン・ウォレス氏は冒頭陳述で、トランプ氏のニューヨーク州でのビジネスを禁止するよう強く求めた。トランプ氏と共同被告人らは再三にわたる詐欺を共謀。同氏の財務文書を通じて金融機関に隠れたリスクをとるのを承諾させていたと訴えた。

トランプ氏は一族企業「トランプ・オーガニゼーション」のビジネスをニューヨーク州で展開することで、自身の名声を高めてきた。その後の2016年には大統領選に出馬し、当選を果たしている。

3日に始まった公判では、被告らが支払うべき額の他、彼らに対しニューヨーク州での不動産取引や同州の金融機関からの借り入れを禁止するのかどうかも検討される予定。

ジェームズ氏は2億5000万ドル(約374億円)の損害賠償、トランプ氏らによる州内企業の役員就任の禁止、トランプ・オーガニゼーションの5年間の商取引の停止を求めて訴えていた。同氏のオフィスは、今回の裁判でビジネス文書偽造など別の6件の犯罪についても立証することを目指している。

一方、トランプ氏の弁護士らは司法長官が起こしたこの裁判には欠陥があると主張。物件などの評価で差異が生じるのは不動産ビジネスの一部だとの認識を示した。

その上でトランプ氏の弁護士を務めるクリストファー・キセ氏は、そこに詐欺の意図はなく、本件に「被害者はいない」と述べた。

エンゴロン判事はこの裁判について、12月22日まで2カ月以上続くと予想していることを確認した。

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