トランプ氏、箝口令に不服申し立て 20年大統領選介入の訴訟で
(CNN) 米首都ワシントン連邦地裁のタニヤ・チュトカン判事がトランプ前大統領に対する箝口(かんこう)令を発令したことに対し、トランプ氏が不服を申し立てている。発言が制限されるのは、2020年大統領選の結果転覆の試みを巡ってトランプ氏が訴追された事件に関する内容だが、同氏は判事が「発言の権利を奪った」と主張する。
トランプ氏は17日、現行の民事訴訟への出廷でニューヨーク州の裁判所に入る前、記者団に対し、「我々は無実の罪で投獄されようとしている。別の裁判でもそうだ。昨日、彼らが私の発言する権利を奪ったのを見ただろう。これからは、今あなたに話しているように話すことができなくなる」と述べた。
また「私は現在ジョー・バイデンを支持率でリードしている。だから制限の対象になる」とし、そのために発言の権利を奪われたと示唆。「大統領選の候補者でありながら、発言することが許されない」と語った。
箝口令への不服を申し立てる文書は17日、チュトカン判事に提出された。
箝口令はトランプ氏が裁判所職員や想定される証人、捜査を指揮したジャック・スミス特別検察官とそのスタッフを狙って公的な発言をするのを規制する。ただ事件の陪審裁判が行われるワシントンへの侮辱的なコメントや、司法省全般についての特定のコメントに制限を科すものではない。米政府は両方のコメントに対する規制を求めていた。
トランプ氏は、自身と一族企業に対する民事訴訟を担当するニューヨーク州の裁判所の判事からも箝口令を言い渡されている。
当該の裁判所のアーサー・エンゴロン判事は今月3日、ソーシャルメディアへの投稿で自身の事務官を攻撃したトランプ氏を非難。その上で訴訟の当事者らに対し、今後自身のスタッフへのコメントを一切禁止する命令を下した。違反した場合は「厳しい制裁」が科されるとも示唆した。