トランプ氏への箝口令が復活 NY州での詐欺訴訟で
ニューヨーク(CNN) 米ニューヨーク州の控訴裁判所の判事は11月30日、トランプ前大統領と同氏の一族企業に対する民事訴訟で同氏並びに同氏の弁護士らに対する箝口(かんこう)令を再び発令した。これにより、当該の訴訟を担当する裁判所の職員について、公に発言することが禁止される。
箝口令は当初、ニューヨーク州裁判所のアーサー・エンゴロン判事が自身の事務官にまつわる公式の声明に対して発令したもの。トランプ氏はこれに先駆け、ある事務官に関して数多くのコメントを発していた。同氏によれば、この事務官は自身に反感を抱いているという。
エンゴロン判事とこの事務官にはこれまで数百件の脅迫が寄せられていることが、先週公表された。裁判所の文書によると、脅迫は事務官個人の携帯電話に1日20~30件、ソーシャルメディアのプラットフォームと個人のメールアドレスに同30~50件届いているという。
控訴裁判所は11月16日に当該の箝口令を一時的に解除したが、30日になって公式の申し立てが審理中の間はこれを再び発動するべきだとの見解を示した。
30日午前の裁判の休憩中、エンゴロン判事が控訴裁判所の決定を発表すると、トランプ氏の弁護士を務めるクリス・キセ氏は「法の支配にとって悲劇的な日だ」と述べた。
この裁判でトランプ氏らを提訴したニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は2億5000万ドル(約370億円)の損害賠償、トランプ氏らによる州内企業の役員就任の禁止、トランプ・オーガニゼーションの5年間の商取引の停止を求めて訴えている。
エンゴロン判事はトランプ氏と共同被告らに対し、約10年間にわたり虚偽の財務諸表を提供していたとして、詐欺で有責との判断を下している。