米政権、フーシを「特別指定国際テロ組織」に再指定
(CNN) 米政権は17日、中東イエメンの反政府武装組織フーシを「特別指定国際テロ組織(SDGT)」に再指定した。イランを後ろ盾とするフーシは、紅海で商船などを狙った攻撃を続けている。
米政府高官は再指定について、フーシが紅海で続けている攻撃を阻止することが目的だと説明。電話会見で16日、「こうした攻撃は明らかなテロの実例であり、国際法に違反して人命や国際的な通商を脅かし、人道支援の提供を危うくしている」と強調した。
フーシについては前政権がトランプ前大統領の任期終了間際にテロ組織に指定したが、現政権が2021年2月にSDGT指定と外国テロ組織(FTO)指定を解除していた。
米政権は今回、FTOの再指定は見送った。SDGTに指定された場合もFTOに指定された場合も資産は凍結される。しかしFTOに指定された場合のみ、メンバーの入国が制限され、対象組織への「物的支援」に対する制裁が認められる。
「現時点ではフーシに圧力をかけるためにSDGT指定が適切だと考える」と政権高官は述べ、SDGT指定によって人道支援に対するリスクを最小限に抑えながら、フーシに狙いを定める柔軟性が増すと説明した。
SDGT指定は17日から30日後に発効する。「これで確実な人道支援を実施できる。我々の行動の標的はフーシであり、イエメンの国民ではない」と高官は強調した。
米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報担当調整官は17日、SDGT指定を「柔軟な形の経済圧力」と形容し、もしもフーシが紅海での商船に対する攻撃をやめれば撤回できると説明した。
21年に指定を解除したことについては「イエメンの差し迫った人道状況に対応するため」だったと述べ、ジョー・バイデン大統領は後悔していないと言い添えた。