殺人・強盗・銃撃 米首都で急増する凶悪事件、議員や市民が犠牲に

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発砲事件の現場に派遣された警官=2023年11月、米首都ワシントン/Astrid Riecken For The Washington Post/Getty Images/File

発砲事件の現場に派遣された警官=2023年11月、米首都ワシントン/Astrid Riecken For The Washington Post/Getty Images/File

米首都ワシントン(CNN) 米首都ワシントンで殺人や車の窃盗、強盗などの凶悪事件が急増し、議員や住民が不安を募らせている。

凶悪犯罪は他の主要都市で軒並み減少する中、首都ワシントンでは昨年、39%増となった。

トランプ前政権の高官だったマイク・ギル氏は3日、病院で死亡した。数日前、ホワイトハウス近くの高級ホテルや商店が並ぶ区画に止めた車の中で妻を待っていたところ、何者かに銃撃された。昨年はアンジー・クレイグ下院議員が自宅で襲撃され、ヘンリー・クエラー下院議員は自宅前で3人組に銃を突きつけられて車や携帯電話などの所持品を奪われた。

警察によると、ギル氏を撃った男は市内の別の高級住宅街で車の運転席にいた男性に近付いてキーを要求し、男性を銃撃して奪った車で逃走した。被害者は幼い2人の娘をもつ35歳の男性で、搬送先の病院で死亡した。

首都警察の統計によると、ワシントン市内では2024年に入って既に57件の車乗っ取りが発生し、うち30件で銃が使用された。容疑者が逮捕されたのはこれまでのところ8件で、内訳は14歳が1人、15歳4人、17歳2人などとなっている。

青少年犯罪の増加を受けてマリエル・バウザー市長は昨年11月、緊急事態を宣言。未成年の勾留施設を増やして監視態勢を強化する暫定的な対策は同月、市議会を全会一致で通過した。

米プロバスケットボールNBAや北米プロアイスホッケーNHLのチームがワシントンからバージニア州へ本拠地を移す計画についても、犯罪の増加が関係しているといううわさがある。

フードデリバリーのドライバーをしている男性は先月、10代の未成年者に車を盗まれそうになったといい、ワシントン市内に安全を感じられる場所はなくなったと打ち明ける。

今はポトマック川をはさんでバージニア州へ拠点を移し、収入は半分程度になったものの、安心感ははるかに大きいと語った。

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