古代の岩石層を観光客が破壊、動画に映った2人の特定へ情報提供呼びかけ 米ミード湖
(CNN) 米ネバダ州とアリゾナ州にまたがるレイクミード国立保養地で、古代の岩石層を破壊する観光客2人の動画が撮影された。公園レンジャーはこの容疑者を突き止めるため、一般からの情報提供を呼びかけている。
動画には、遊歩道沿いにそびえる岩場に2人の観光客がよじ登り、積み重なった板状の大きな砂岩を両手で押して次々に地面に落とす様子が映っている。落ちて砕ける岩石に、幼い女の子が悲鳴を上げていた。
1億4000万年かけて形成された地層は米連邦法で保護されており、破壊されれば取り返しがつかない。保養地広報のジョン・ヘインズさんは「身の毛がよだつ」と形容し、「あれほど美しい場所で、一体どうしてこんなことができるのか。あそこは私が大好きな場所の一つなのに、彼らが破壊してしまった。理解できない」とCNN提携局のKVVUに語った。
動画が撮影されたのは今月7日。当時この現場にいた人や何らかの事情を知っている人は、情報を提供してほしいとレンジャーは呼びかけている。
男2人は破壊行為の疑いがあり、発見されれば罪に問われて禁錮や多額の罰金を言い渡される可能性がある。
レイクミード国立保養地は、山々が連なる美しい光景や峡谷に面した遊歩道、州をまたぐ2つの貯水池で知られ、年間600万人が訪れる。しかし米西部の異常な干ばつのため、ここ数年は水位が急激に低下して、沈没船や遺体などが見つかっていた。
公園面積が広大なことから、観光客はレンジャーによる監視を助ける役割を担う。ヘインズさんは、不審な行為を見かけたら動画を撮影して公園当局に連絡してほしいと話している。