家ごと吹き飛ばされた男性2人、竜巻に吸い込まれた体験語る 米ネブラスカ州
(CNN) 金曜の午後のことだった。家を出て仕事に向かっていたロジャー・スラッテンさんに、1本の電話がかかってきた。
米ネブラスカ州オマハ郊外の自宅近くで竜巻が観測された。すぐに安全を確保しろという友人からの電話だった。
ロジャーさんは引き返して自宅へと急いだ。妻のリンディさんは仕事に出かけていたが、同居するきょうだいのロイスさんには電話で急を知らせ、2匹の犬を連れて地下室に避難するよう促した。
車を止めて家の中に駆け込んだが、間に合わなかった。1分後、ロジャーさんもロイスさんも風速60メートルを超す暴風に巻き込まれて吹き飛ばされ、家はがれきと化した。
「風があんなことをするなんて見たことがなかった」「まさかこんなことになるとは思わなかった」。CNNの取材に応じたロジャーさんはそう振り返った。
この一帯では25日から28日にかけ、数十個の竜巻が観測された。スラッテンさん一家と犬たちは幸運にも無事だったが、オクラホマ州とアイオワ州で少なくとも5人が死亡した。
竜巻の際は地下に避難するのが最も安全とされる。しかしきょうだいは愛犬のニコを探すため、2階に駆け上がっていた。ニコを発見できないまま地下に降りようとした時にはもう遅かった。家は竜巻に襲われて崩れ始めた。