選挙戦継続のバイデン氏、民主党関係者からは今週の撤退を求める声も
(CNN) 先週の米大統領選討論会で悲惨な出来に終わったバイデン大統領とその周辺が選挙戦継続の姿勢を強調する中、民主党指導者の間では、党と国のために撤退するよう求める声が増えている。
党内で真っ先に異論を唱えたのは、テキサス州選出のロイド・ドゲット下院議員だ。
ドゲット氏は2日の声明で「私はかつてリンドン・ジョンソン(大統領)の地盤だった下院選挙区の中心部を代表している。全く異なる状況ではあったが、ジョンソン氏は撤退のつらい決断を下した。バイデン大統領も同じことをすべきだ」と訴えた。
別の民主党下院議員は率直に発言するため匿名でCNNの取材に応じ、「大統領の立候補について懸念を抱く下院民主党議員は多く、その数は増えている。民主党議員のかなりの部分に当たる」と説明。「バイデン氏の動向や当選能力について深く懸念している。バイデン氏に自ら(身を引く)決断を下す余地を与えたいが、もしそうしないなら、我々は一段と強く懸念を表明していく」と明かした。
事情に詳しい情報筋によると、ホワイトハウスは3日に民主党の州知事と会談する機会をうかがっている。一部の民主党知事から討論会での出来に懸念の声が上がったことを受けた対応だという。情報筋の一人は、バイデン氏を一層かたくなにさせる恐れがあることから、表立って懸念を表明するのは心配だと語った。
CNNは現旧の民主党当局者20人以上や献金者、バイデン氏の長年の協力者に話を聞いたが、いずれもバイデン氏との関係悪化を避けるため匿名で取材に応じた。その多くは既にバイデン氏は撤退すべきだという意見を固めており、一部では今週中に撤退を発表する必要があるとの見方もあった。
複数の民主党議員はCNNに対し、バイデン氏が自ら決断することを期待して直接の働きかけは控えているが、バイデン氏が懸念の高まりを真剣に受け止めていない兆候も見られる中、我慢が限界に近づきつつあると漏らした。側近によると、バイデン氏は今週末に激戦州を訪問する予定で、これはバイデン氏に方針転換の予定がないことを示唆する。
ABCニュースは2日、バイデン氏が討論会後初のテレビインタビューに応じると発表した。放送予定日は5日。
当初は、討論会の散々な出来を踏まえ、バイデン氏の家族が撤退するよう説得するだろうとの期待もあった。しかし、その後明らかになったところでは、バイデン氏の家族は先月30日、大統領専用山荘「キャンプデービッド」で選挙戦継続を決めたバイデン氏に寄り添い、失態の責任はスタッフにあると非難した。