浮かび上がった容疑者の人物像、捜査員は困惑 トランプ氏暗殺未遂

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銃撃直後にシークレットサービスの隊員に囲まれるトランプ氏(中央)=13日/Rebecca Droke/AFP via Getty Images

銃撃直後にシークレットサービスの隊員に囲まれるトランプ氏(中央)=13日/Rebecca Droke/AFP via Getty Images

(CNN) トランプ前米大統領の暗殺未遂事件を調べる捜査員は200回あまりの事情聴取を重ね、携帯電話やインターネットの検索履歴を詳しく調査し、容疑者の人物像をつなぎ合わせている。トーマス・クルックス容疑者は知的で控えめな孤独な青年で、銃に興味を示していた。政治的な見解を口にする行為からは程遠い人物だった。

だが、銃撃から1週間近くを経て浮かび上がってきたクルックス容疑者の素顔は、犯行動機を調べる当局を困惑させている。捜査員の間では、政治的な動機というよりも、近くにいる最も有名な標的を狙ったのかもしれないとの見方も出ている。

当局者は、捜査はまだ初期段階にあると注意を促す。ただ、ある意味では、クルックス容疑者は近年米国で高性能アサルトライフル(突撃銃)による犯行に及んだ数十人の若者と似た面もある。捜査当局へのインタビューや議会に提出されたメモの調査によると、親しい友人は少なく、地元の射撃場に足繁く通う生活だった。政治的な動機による暗殺であることを示唆する見解は口にしていなかったとみられる。

クルックス容疑者はトランプ氏に加えバイデン大統領についてもネット検索し、携帯電話に民主、共和両党の著名人の写真を保存していた。議会報告のメモによると、容疑者は民主党全国大会やトランプ氏の集会の開催地を検索した結果、ピッツバーグ郊外の自宅から車でわずか1時間の場所でトランプ氏が登壇を予定していることを突き止めた。

捜査当局はこの点を踏まえ、クルックス容疑者は派手な銃撃事件を企てており、場所の近さやタイミングからトランプ氏の集会が最も手軽な犯行の機会になった可能性があると推測している。

ただ、クルックス容疑者がさらに大規模な襲撃を企図していて、注目を集める手段として手始めにトランプ氏を狙ったのかどうかは不明だ。

クルックス容疑者はこのほか、ミシガン州の高校で2021年に同級生4人を射殺した別の乱射犯、イーサン・クランブリー容疑者についても検索していた。こうした検索は他の乱射犯に見られる特徴と一致する。乱射犯が模倣したい人物について調べるのは、もっと大きな事件を起こす方法について自分で考えをまとめるためだという。

ただ、クルックス容疑者の行動と、典型的な乱射犯の行動には重要な違いも存在する。襲撃当日のクルックス容疑者はトランプ氏に狙いを定めており、可能な限り多くの人物を殺害しようと群衆に銃口を向けることはなかった。車のトランクには即席爆弾が積まれていたが、殺人のために起爆する計画だったのか、それとも目くらましだったのかは不明だ。

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