トランプ氏、NY控訴裁に710億円の支払い命令棄却を申し立て
(CNN) トランプ前米大統領の弁護団は22日、ニューヨークの控訴裁判所に対し、同氏の不正をめぐる民事訴訟で4億5400万ドル(現在のレートで約710億円)の支払いを命じた判決を破棄するよう求めた。罰金は違憲であり、該当の行為は時効が成立するため訴訟の大部分は却下されるべきだったと主張している。
弁護団はほかにも、銀行や相手方が融資で損失を被ったことはないなど、一審で敗訴したいくつかの法的主張を提起し、判決は誤っていると述べた。
この申し立ては、アーサー・エンゴロン判事が今年2月に下した判決を破棄しようとするトランプ氏の最新の試みだ。同判事はトランプ氏と同氏の2人の息子であるドナルド・ジュニア氏、エリック氏、およびトランプ氏らの不動産事業に不正の責任があるとした。ニューヨーク州の司法長官は来月、異議書面を提出する予定。控訴裁は早ければ9月にも本件を審理する可能性がある。
弁護側は実害がゼロであるため、懲罰的賠償金の割合は実質的に無限大になると話す。被害者や証明された被害、損失もない訴訟で巨額の賠償金を支払うとなれば、まったく弁護の余地がないと訴えている。
また、控訴裁が昨年、民事訴訟前に特定の行為は時効に該当しないと判断した後、エンゴロン氏が訴訟の大半を棄却しなかったのは誤りだったと述べた。
弁護団は、トランプ氏個人は被告から除外されるべきだったとも主張。時効が認められれば、判決額のうち約3億5000万ドルは取り消されることになるという。
さらに、エンゴロン氏がトランプ氏に対して下した判断は「懲罰的」で憲法修正第8条の過大な罰金禁止条項と適正な法手続き条項に照らして違憲だと非難した。