山歩きの89歳男性が遭難、10日ぶりに無事救助 米アイダホ州
(CNN) 米アイダホ州の山林で山歩きに出かけた89歳の男性が遭難し、10日ぶりに無事救助された。5日間の予定で出かけた男性が持っていたのは重さ8.6キロほどの装備のみ。関係者は「生きようとする意志が、信じられないハッピーエンドにつながった」と話している。
救助されたビング・オルバムさんは、険しい地形で知られるサーモンチャリス国有林で標高2400メートルを超す山頂や尾根を越え、32キロ以上の山林を横断していた。
「どんな人であれ、森林の中でこれほど長期間生き延びられる確率は非常に低い」と捜索救助隊長は語る。
アイダホ州カスター郡保安官事務所によると、オルバムさんは今月1日に山歩きに出かけ、5日後に目的地に到着するはずだった。
6日に行方不明の届け出が出されたことを受け、地元住民のボランティアでつくる捜索救助隊が陸と空からの捜索を開始。しかし5日たってもオルバムさんの痕跡は見つからなかった。
このため捜索を打ち切ろうとしていたところ、最終日になってオルバムさんのキャンプを発見。周辺を捜索した結果、11日早朝、馬で捜索していた住民がオルバムさんを発見した。
オルバムさんは軽い脱水症状や長距離を歩いたことによる足の痛みはあったものの、大きなけがはなかった。
携帯していた食料はビーフジャーキーとナッツ類、水を浄化するためのヨウ素剤のみ。一人用のテントとブランケットで野営していた。
位置情報を確認できる端末はなく、場所の確認に使っていたのはコンパスと紙の地図だけだった。
森の中の気温は夜間は4度前後、日中は32度前後と変動が激しかった。それでもオルバムさんは、たき火もせずに生き延びていた。