「動く地面が見えるほど」 米ロサンゼルス近郊で地滑り加速、送電線に迫る 200戸で停電
(CNN) 米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊のランチョパロスベルデス市で2日、地滑りの影響で電柱などが倒壊する恐れがあるとして、住宅200戸あまりで電力の供給が停止されている。
地元市議会議員は1日、「前例がない」「どうすればいいのか誰も分からない」と語った。
電力会社は1日、地盤変動の影響で電柱が脅かされ、市内で火災が発生する恐れがあるとして、同市ポートギーズベンド地区の住宅140戸への電力供給を無期限で停止した。
電力会社の広報がCNN提携局のKABCに語ったところによると、数日前には実際に火災が発生した。小規模な火災だったものの、原因は地盤変動による送電線の落下だったといい、「この地域がいかに危険かを見せつけた」としている。
同社は地盤変動の影響について監視を続けており、2日夜にはさらに105戸が停電になると通知した。
ランチョパロスベルデスはロサンゼルス郡南西部の沿岸部に位置する。当局者によると、同地では数十年前から徐々に地盤が変動していたが、この1年で状況が大幅に悪化した。中には1週間で25センチ以上も変動した場所もあるといい、「地面が動くのが見えるほど」と地元議員は話している。
ロサンゼルス郡保安官は1日の記者会見で、住民に避難指示に従ってもらうため、同地のパトロールを強化してドローン(無人機)で空き巣狙いを監視すると説明した。
ランチョパロスベルデスでは2023年に地元自治体が緊急事態を宣言し、今年7月29日にはポートギーズベンド地区への天然ガス供給が停止された。
当局者は「地滑りがこれほど加速するとは誰も予想できなかった」と話している。