17歳で海兵隊に入隊したジミー氏はいま、第158歩兵連隊で情報将校を務める。これまでは政治論争に加わるのは意図的に避けていた。ベトナム戦争で捕虜となった父を「戦争の英雄ではない」と批判し、「負け犬」と評したとされるトランプ氏の発言に深く傷ついたが、政治的に禁じ手ではなかったとの見方を示した。
「ジョン・マケイン氏について一つ言えるのは、彼は公人としての人生を選んだという点だ」とジミー氏。「従って、彼を攻撃するのは彼の職務内容から外れた行為ではない」との認識を示した。
だがジミー氏によれば、アーリントン墓地でのエピソードやトランプ陣営の対応は、死者への敬意の欠如を全く新たなレベルに引き上げた。その根本には、従軍しなかったことへのトランプ氏自身の不安があるとの見方を示す。
ジミー氏は自分の発言は個人の見解を述べたものであり、米陸軍の見解ではないと強調した。ジミー氏は22年に将校任命辞令を受け、米陸軍の情報将校に任官された。
ジミー氏がアーリントン墓地でのエピソードにとりわけ怒りを覚えたのは、ヨルダン・シリア国境にある小規模米軍基地への7カ月の派遣から帰国したタイミングで起きたためだという。
ジミー氏の帰国に先立ち、米軍要員3人がイランの支援を受けた戦闘員によるドローン(無人機)攻撃で死亡していた。トランプ氏が墓石の前でポーズを取ったとき、脳裏に浮かんだのは彼らのことだった。
「あれは違反行為だった」とマケイン氏は語り、「あの母親や姉妹、遺族なら分かる。つらい経験だ」と語った。
トランプ氏は先月26日、アフガニスタン首都カブールの空港で2021年に死亡した米軍要員13人に花を手向けた後、アーリントン墓地を訪問した。トランプ陣営は訪問の様子を動画に撮影。近年死亡した人々が埋葬されている一帯での撮影を阻止しようとした墓地の職員ともみ合いになった。陸軍によると、こうした場所での撮影は連邦法や軍の規則、国防総省の規則の違反に当たる。