米、イラン航空に新たな制裁 ロシアへのミサイル供与めぐり

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ブリンケン米国務長官はイラン航空への制裁措置を予告した/Alberto Pezzali/Pool/AFP/Getty Images

ブリンケン米国務長官はイラン航空への制裁措置を予告した/Alberto Pezzali/Pool/AFP/Getty Images

(CNN) ウクライナへの侵攻を続けるロシアにイランが弾道ミサイルを移送したことを受け、米国はイラン航空に新たな制裁を科した。欧州の3カ国も同様の措置を発表している。

ブリンケン米国務長官は10日、イラン航空への制裁措置を予告し、イランによるロシアへのミサイル供与が「劇的なエスカレーション」を招いていると断じた。

フランス、英国、ドイツの外相は同日、共同声明で、イランによるミサイル移送を「欧州の安全保障に対する直接の脅威」と批判した。

制裁措置の発動に加え、各国は「イランとの二国間航空サービス協定を直ちに破棄する措置を取る」とも述べた。この措置により、イラン航空は欧州と英国への飛行が制限される。

米国はこれまでにもイラン航空に制裁を科してきており、今回の措置が実際にイランに対する抑止力となるかどうかは不明だ。それでもこの共同措置は、ロシアのウクライナ戦争に対するイランの継続的な支援を厳しく非難することを意図している。

イラン航空への追加制裁に加えて、米国は武器移転に関与したロシアとイランの当局者および企業にも制裁を科した。また米財務省は10日、「イランが無人航空機(UAV)や近距離弾道ミサイル(CRBM)を含む武器部品や武器システムをロシアに輸送することを可能にする4隻の船舶を封鎖資産として特定した」と述べた。

ブリンケン氏は英国のラミー外相とともに臨んだ10日の記者会見で、ロシア軍兵士数十人がイランで近距離弾道ミサイル「Fath―360」の使用訓練を受けていると指摘。ロシアはこれらの弾道ミサイルを受け取っており、数週間以内にウクライナで使用する可能性が高いとの見方を示した。

ブリンケン氏はロシアが今後、自国の兵器を使用して前線を越えた標的を攻撃しながら、イランの短距離弾道ミサイルでより近い標的を攻撃できるようになると述べた。

イランはすでにロシアへ数百機のドローン(無人機)を供与しているほか、ロシアはイランの支援を受けて同国にドローン製造施設の建設を進めている。イランはさらにロシアにドローンの使用の訓練も行っている。

イラン外務省の報道官は10日、声明で、「イランとの航空サービス提供に関する二国間協定の破棄と、ウクライナ紛争への介入疑惑を口実としたイラン航空への制裁に関する英国、フランス、ドイツの外相の異例の声明を強く非難した」と述べた。

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