米大統領討論会 ハリス副大統領とトランプ前大統領が初の顔合わせ
(CNN) 11月の米大統領選に向けたテレビ討論会が現地時間10日、ABCニュースの主催で開催される。民主党候補のハリス副大統領は現代の政治史上前例のない課題に直面する。ハリス氏は、自身についてもっと知りたいと考える何百万人もの有権者に向けてメッセージを送るとともに、自身の立候補を支持して共和党候補のトランプ前大統領に反対するための主張も届けることになる。大統領選は投票日まで8週を残すだけとなった。
トランプ氏も未知の領域に踏み込むことになる。共和党の予備選では討論会に参加しておらず、民主党候補との討論会は今回が2度目。6月にアトランタで行われたバイデン大統領との討論会とは違い、ハリス氏との対決はまったく異なるものとなりそうだ。
ハリス氏はこれまでのところ、素晴らしい選挙戦を楽しんでいる。ハリス氏はバイデン氏の撤退後、民主党からの候補指名を獲得すると、世論調査でも資金集めでも勢いを増している。ハリス氏の資金面での優位は明らかだ。ハリス氏は8月だけで3億6100万ドル(約510億円)を集めた。これは、トランプ氏の約3倍だ。しかし、選挙戦は変わらず接戦で、有権者からはハリス氏やハリス氏の政策課題についてより多くの情報を求める声が出ている。こうした情報量の差が両陣営に対して、ピンチとチャンスをもたらしている。
ハリス米副大統領とトランプ前大統領は現地時間の10日夜、米フィラデルフィアで初の討論会を行う/Getty Images
トランプ氏をめぐる謎はますます少なくなっている。今回の討論会はトランプ氏にとっては7回目の大統領候補としての討論会となる。トランプ氏は選挙戦で、いつもの「トランプ節」を披露。しばしば矛盾する公約や立場に言及し、悪名高い「プロジェクト2025」に近づいたと思ったら距離を置き、国境問題ではハリス氏とバイデン氏の記録を結び付けようとし、ジェンダーや人種を理由にした個人攻撃を繰り返している。