米大統領選、ハリス氏とトランプ氏が激しく競る CNN世論調査
(CNN) 11月に行われる米大統領選で、民主党候補のハリス副大統領と共和党候補のトランプ前大統領が激しく競っていることがわかった。ハリス氏に対する支持は、より強力な個人的魅力に基づいている。一方、トランプ氏は、同氏に対する肯定的な見方などは少ないものの、岩盤支持層からの支持を集め、経済運営をめぐる幅広い優位を生かしている。CNNが調査会社SSRSに委託した世論調査で明らかになった。
全米で投票する可能性の高い有権者のうち、ハリス氏を支持するとした人の割合は48%、トランプ氏支持は47%だった。これは誤差の範囲に含まれており、いずれも明確なリードは獲得できていない。約2%は「リバタリアン党」のチェース・オリバー氏に投票するとした。1%が「緑の党」のジル・スタイン氏を選択した。ハリス氏とトランプ氏はともに支持者の大半が肯定的な理由から支持をしていると答えた。トランプ氏支持の72%は、ハリス氏に反対するためではなく、トランプ氏を支持しているために選択したと答えた。ハリス氏支持の60%は、トランプ氏に反対するためではなく、ハリス氏を支持しているために選択したという。
これは初夏の有権者の姿勢からの大きな変化といえる。バイデン大統領が選挙戦から撤退した直後の7月のCNNの世論調査によれば、ハリス氏に対する支持は、ハリス氏に対する肯定的な支持と反トランプ感情から来る支持の五分五分だった。また、それより前の世論調査では、バイデン氏支持の理由について、トランプ氏への反対を示すためとする人が多かった。
無党派層からの支持も、おおよそ割れた。無党派のうちハリス氏支持は45%、トランプ氏支持は41%だった。ただ、性別によって支持が分かれた。無党派の女性では51%がハリス氏を支持し、トランプ氏支持は36%だった。一方、無党派の男性では47%がトランプ氏を支持し、ハリス氏支持は40%だった。
白人の有権者でみると、白人男性の58%はトランプ氏を支持し、ハリス氏支持は35%だった。ただ、白人女性の支持では、トランプ氏が50%、ハリス氏が47%と割れた。黒人やラテン系の中では、性別によるそれほど大きな違いはなかった。30歳未満の有権者ではハリス氏への支持が55%とトランプ氏の38%を上回った。黒人では79%がハリス氏を支持し、トランプ氏支持は16%。ラテン系では59%がハリス氏を支持し、トランプ氏支持は40%だった。
まだ支持する候補者を決めていないと答えた人の割合はわずか2%だった。12%は、投票先を決めたものの気持ちが変わる可能性があると答えた。
世論調査では全体として、ハリス氏が公の場で、より前向きなイメージを築きつつあり、一般の人々がハリス氏の人柄に対する見方について、いくつかの尺度で、トランプ氏よりも高く評価していることが示された。
ハリス氏が正式に民主党候補に指名されて以降、ハリス氏に対する好感度は、2021年の副大統領就任以降で最高の水準に上昇した。現在、投票する可能性の高い有権者のうち、ハリス氏に肯定的な見方をする人の割合は46%、否定的な見方をする人の割合は48%。一方、トランプ氏については、肯定的な見方をする人の割合は42%、否定的に見る人の割合は55%だった。
投票する可能性の高い有権者が、ハリス氏に対して大統領として求めるものと一致していると答えたのは、気質が58%、経歴や人生経験が56%、問題を理解する能力が52%、指導者としての技能が51%、国に対するビジョンが51%などとなった。一方で、トランプ氏の場合、有権者が大統領として求めるものとして、国に対するビジョンを挙げたのは49%だった。そのほか、指導者としての技能が49%、経歴が46%、人々に共感する能力が46%、気質が38%などとなった。
注目すべきは、51%が、大統領に求めるものと一致する主要な争点をめぐる政策的な立ち位置があると答えたことだ。こうした人のうち、トランプ氏の政策こそが大統領に求めているものだと答えた人の方が多く、こうした点からトランプ氏を支持したとした人の割合は29%、ハリス氏は18%だった。
投票する可能性の高い有権者全体でみると、経済や移民問題、外交への対応について、ハリス氏よりもトランプ氏を支持する人の割合が高かった。トランプ氏の見解や政策が「過激すぎる」と答えた人たちでさえ、15%が経済への対応についてハリス氏よりもトランプ氏を信頼すると答えた。移民問題への対応でも同程度の割合がハリス氏よりもトランプ氏を信頼するとした。
投票する可能性の高い有権者は全般的に、人工妊娠中絶やリプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)への対応、国の団結、民主主義の保護について、トランプ氏よりもハリス氏を支持する人の割合が高かった。
大統領を選ぶ最も重要な争点として、41%が経済を挙げた。最も重要な争点として民主主義の保護を挙げた人の割合は21%、移民問題が12%、人工妊娠中絶が11%だった。
今回の世論調査は、SSRSがインターネットと電話を使い9月19~22日にかけて、全米の登録有権者2074人を対象に実施した。誤差の範囲はプラスマイナス3.0ポイント。