人権活動家のエセル・ケネディ氏、96歳で死去 ケネディ元米司法長官の妻
(CNN) 暗殺された米国のロバート・F・ケネディ元司法長官の妻で、長年人権擁護の活動に取り組んできたエセル・ケネディ氏が10日、死去した。96歳だった。家族が明らかにした。
ケネディ氏は先週、脳卒中で病院に搬送されていた。
孫のジョー・ケネディ3世元連邦下院議員がX(旧ツイッター)で伝えたところによると、亡くなったケネディ氏には子どもが9人、孫が34人、ひ孫が24人いた。
米国随一の政治家一家に嫁いだケネディ氏に支えられ、夫のロバート氏は連邦上院議員への当選を果たした。1968年には大統領選に出馬するが、選挙戦が始まって数カ月後に暗殺された。
夫を失ってからの数十年間で、ケネディ氏は環境並びに人権の活動家として国内外で頭角を現す。2014年には当時のオバマ大統領から民間人に贈られる最高位の勲章、大統領自由勲章を授与された。
2014年11月、オバマ大統領(当時)から大統領自由勲章を授与されるケネディ氏/Alex Wong/Getty Images
18年には当時のトランプ政権によってメキシコとの国境で家族が引き離される事態に抗議。ハンガーストライキにも加わった。
最近では次男のロバート・F・ケネディ・ジュニア氏が今年の大統領選に出馬。当初は民主党の候補だったが、その後無所属となり、8月には選挙戦を停止して共和党候補のトランプ前大統領の支持に回った。
ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏はXへの投稿で母親を追悼。「厳しい愛情」を信条とした女性で、子どもたちが自身の期待に及ばなかったときにはつらく当たることもあったと振り返った。
それでも子どもたちが常に理解していたように、我が子が他者から攻撃を受けたときには猛然と彼らを支える姿勢を示したという。
バイデン大統領は声明の中で、ケネディ氏を「米国の象徴」と形容。楽観主義と道徳的勇気を備えた女性のリーダーと称賛した。