米大統領選、焦点は依然として「ラストベルト」3州か
(CNN) 11月に行われる米大統領選では、選挙の広告や候補者による訪問、組織的な取り組み、世論調査に神経をとがらせているかどうかにかかわらず、ミシガン州とウィスコンシン州、そして何よりペンシルベニア州がこれまでと同様に両陣営にとっての優先事項のトップに浮上した。最近の大統領選ではほぼ毎回、「ラストベルト(さびついた工業地帯)」とも呼ばれるこの3州が重要な位置を占めている。
今年の大統領選における共和党候補のドナルド・トランプ前大統領は2016年の選挙で民主党候補だったヒラリー・クリントン氏に対して、この3州で全勝して驚きを与えた。3州の票差の合計は8万票にも満たなかった。20年の大統領選ではジョー・バイデン氏が逆に3州全てを奪還したが、票差の合計は約26万票だった。
カマラ・ハリス副大統領は7月に民主党の主要候補者となって以降、どの州よりも多くの広告費をペンシルベニア州につぎ込んでいる。
民主党で長くストラテジストを務め、現在は南カリフォルニア大学のCPFの所長を務めるボブ・シュラム氏は、ラストベルトの激戦州3州が長い間、大統領選において極めて重要な位置を占め続けていると指摘。その理由として、3州は、例えば、都市部と農村部、ホワイトカラーとブルーカラーの有権者など現在の米国政治を定義づけている根深い分断の多くを内包しているからだという。シュラム氏は3州が政治の二極化を反映しているとの見方を示した。
別の専門家らは、この3州が大統領選では同じような投票を行うという歴史的な傾向があるため、他の大票田がどちらかの党にはっきりと傾いているときに、選挙のたびに民主党と共和党の勝利が揺れる「スイング・ステート」として機能すると指摘する。カリフォルニアやニューヨーク、ニュージャージーといった州は民主党寄り、テキサスやフロリダ、オハイオの各州は共和党寄りと見られている。