ネオナチの集団が行進、かぎ十字の旗持ち誹謗中傷叫ぶ 米コロンバス
(CNN) 米オハイオ州の当局者らが、州都コロンバスを練り歩いたネオナチの小集団に対して非難の声を上げている。集団は16日午後、かぎ十字を描いた旗を掲げ、人種差別的な言葉を叫びながらパレードを行った。白人の国家主義者による公共の場での示威行動は、近年全米で相次いでいる。
この日は黒い布で頭部を覆い、上下の衣服も黒で統一した十数人がコロンバス中心部近くの街路を練り歩いた。参加者の顔は赤いマスクで覆われて見えない。このうち3人は、赤いかぎ十字が描かれた黒い旗を掲げている。CNN提携局のWBNSに提供された動画で確認できる。
少なくとも1人の人物は、人種差別的な言葉を繰り返し叫んでいる。動画はネット上で広く注目を集めた。集団がブティックやカフェ、飲食店の前を通り過ぎる間、リーダーは黒いメガホンで大声を上げている。
コロンバス市の公安は同日午後1時半前後、行進に関する通報を受けた。
WBNSによると、このデモ行進で逮捕者は出ていないが、警察は参加者の一部を短時間拘束した。CNNはコロンバス警察により詳しい情報を求めている。
同氏のギンサー市長(民主党)は、「卑怯(ひきょう)な誇示行動」と行進を非難。市として「憎悪と偏狭」に立ち向かう考えを強調した。
オハイオ州のデワイン知事(共和党)もデモ行進を糾弾し、参加者は「有色人種とユダヤ人に対する下劣で人種差別的な言葉を拡散している」と述べた。
コロンバスの地域の指導者らは17日、ネオナチの集会に対抗して結束を呼び掛ける行進を開催した。CNN提携局のWSYXが報じた。
白人至上主義者が運営する集会の数は昨年、過去最高の282件に達した。米ユダヤ系団体「名誉毀損(きそん)防止連盟(ADL)」が報告した。
ミシガン州では今月、「アンネの日記」を基にした演劇を上演中の劇場の外に、かぎ十字の旗を持つ集団が表れる事案も起きていた。