米政府、キリンの絶滅危惧種指定を提案 殺して首持ち帰る米国人ハンター
(CNN) 米魚類野生生物局は20日、キリンを絶滅の恐れのある種に分類し、米国の種の保存法に基づく保護対象とすることを提案した。アフリカに生息するキリンが同法に基づき米政府の保護対象となるのは初めて。米国人ハンターはアフリカを訪れてキリンを殺し、額に入れたり壁に飾ったりするために頭や首を米国に持ち帰っている。
キリンは生息地の減少や密猟、都市化、気候変動に伴う干ばつなどの影響で個体数が減っている。種の保存法では、絶滅の危険が差し迫っている、または近い将来に絶滅の恐れがあるとされた種を保護対象とする。
提案では、西アフリカキリン、ヌビアキリン、コルドファンキリンのキタキリン3種を、絶滅の危険が最も大きい「Endangered(絶滅危惧種)」に分類。キタキリンの個体数は1985年の2万5653頭から、約77%減の5919頭へと激減した。
東アフリカのアミメキリンとマサイキリンは「Threatened(生存を脅かされている種)」の分類を提案している。
2018年の報告によると、米国は少なくとも10年間で4万点近いキリンの部位やキリン製品を輸入している。
一方でアフリカは、干ばつに襲われる頻度が増してキリンの生存が脅かされる状況にある。作物は育たず、家畜や動物が死に、何千万人もの人々が必死になって食料や水を求めている。
提案が通れば、キリンの部位を米国に持ち込む際の許可を義務付けることでキリンの違法な狩猟や取引が減り、調査や保護活動への資金提供も拡大する。
環境保護団体などは17年以来、米政府にキリン保護を求めていた。提案については25年2月19日までパブリックコメントを募り、1年以内に成立させる。