18世紀のスペイン沈没船から盗まれた1.5億円相当の金貨、回収に成功 米
(CNN) 米フロリダ州当局は26日、9年前の沈没船回収時に盗まれた100万ドル(約1.5億円)相当以上の金貨37枚を回収したことを明らかにした。これらの金貨は1715年に沈没した艦隊から盗まれたものだ。
スペイン艦隊は同年7月24日にキューバ・ハバナから出航し、スペインのセビリアに向かった。しかしそのわずか7日後、ハリケーンに見舞われ、フロリダの東海岸沖で沈没した。
艦隊の1隻目は1928年、同州フォートピアス北部で発見された。その後数十年にわたり、沖合で金や銀の加工品が回収されてきた。
2015年、回収にあたっていた契約業者らが、同州トレジャーコースト周辺の複数の沈没船から101枚の金貨を発見。しかし、金貨のうち正しく報告されたのは半分だけで、残りの50枚は開示されず、後に盗まれた。
記者発表によると、同州魚類野生生物保護委員会と連邦捜査局(FBI)による「これらの極めて貴重な歴史的遺物の盗難と違法取引」に関する長年の捜査は、6月に新たな証拠が浮上したことで山場を迎えた。
この証拠はエリック・シュミット被告が23年と24年の盗難金貨の違法販売に関係していることを示しているという。シュミット被告の家族は、回収会社との間で作業員として働く契約を結んでいた。シュミット家は15年に101枚の金貨を発見している。
捜査官らは複数の捜索令状を執行し、個人宅、貸金庫、オークションから金貨を回収した。盗まれた5枚の金貨はフロリダを拠点とする競売人から取り戻したが、競売人は事情を知らずにシュミット被告から購入したという。
捜査官らは高度なデジタルフォレンジック(電子鑑識)を使って、シュミット被告がこの盗難の容疑者であることを突き止めた。同技術を用いれば、ほとんどの場合において携帯電話、コンピューターシステム、メモリーモジュールなどの機器に電子的に保存されたデータを復元できる。
捜査官らはデジタルフォレンジックによって、フォートピアスにあるシュミット家の住居で撮影された盗難金貨の写真とシュミット被告を結び付けるメタデータと位置情報を特定した。
当局によると、シュミット被告は16年、盗んだ金貨のうち3枚を海底に沈めていた。それらの金貨は回収会社の新しい投資家によって発見された。
発表によると、シュミット被告は盗品取引の罪で起訴されている。
回収された金貨は正当な管理人に返還される。しかし、捜査はまだ終わっていない。金貨のうち13枚は今も行方が分かっていないからだ。