イーロン・マスク氏、連邦給付金は「大きな削減対象」 社会保障削減の懸念の中

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「政府効率化省(DOGE)」を率いる実業家のイーロン・マスク氏=5日、米首都ワシントン/Ben Curtis/AP

「政府効率化省(DOGE)」を率いる実業家のイーロン・マスク氏=5日、米首都ワシントン/Ben Curtis/AP

(CNN) 米実業家イーロン・マスク氏は10日、給付金プログラムに対する連邦支出を強調した。マスク氏のこの発言は、社会保障やメディケア(高齢者向け医療保険)、メディケイド(低所得者向け医療保険)の削減が懸念される中、同氏が連邦政府の規模縮小に注力していることを示す最新の兆候だ。

同氏は10日、FOXビジネスのインタビューで「連邦支出の大半は給付金だ。だからこそ大きな削減対象だ」と語り、その額はおよそ5000億ドル(約74兆円)から7000億ドル規模に及ぶとの考えを示した。この発言は、連邦支出の無駄や詐欺、不正利用を対象とした報告書があるかどうかとの問いに対するものだった。

マスク氏のインタビューでの受け答えは、政権が社会保障を標的にする重大な兆候だと反対派が示唆する中、トランプ大統領の広報チームは11日、X(旧ツイッター)で、マスク氏は無駄や詐欺、不正利用が毎年5000億ドル以上あると話していたのだと反論した。

スペースXとテスラの最高経営責任者(CEO)であるマスク氏はインタビューで、連邦政府の給付、特に社会保障と中小企業庁の融資を受けている人の数に疑問を呈した。

同氏は、確実に死亡している2000万人が社会保障データベースでは生存しているとされており、中小企業庁による数億ドルの融資が11歳以下の子どもに提供されていると主張する。

トランプ氏も同様の虚偽の主張を繰り返している。先週行われた施政方針演説で同氏は、社会保障局のデータベースには100歳以上の人が470万人登録されており、「その多くに(給付金が)支払われている」と訴えた。

社会保障局の公開データによると、2024年12月時点で99歳以上の約8万9000人が社会保障給付を受けていた。

同局の幹部は「報告されたデータは、我々の記録に社会保障番号があるが、死亡日が記録と関連づけられていない人々だ。これらの個人は必ずしも給付を受けているわけではない」と説明した。

マスク氏は社会保障番号が「盗まれ」たり、「偽造」されたりすることを阻止しようとしているとし、削減を正当化している。

マスク氏の発言は、米国人のための社会保障給付を維持するという共和党指導部の約束と矛盾する。トランプ氏は社会保障給付に手を付けないと繰り返し約束しており、ジョンソン下院議長は先月、共和党はトランプ氏の広範な立法議題の可決に取り組む間、メディケイドやメディケア、社会保障を削減することはないと約束していた。

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