トランプタワー内にデモ隊突入、98人逮捕 パレスチナ人大学院生の拘束に抗議
トランプタワーにデモ隊突入、パレスチナ人大学院生の拘束に抗議
(CNN) 米ニューヨーク・マンハッタンにあるトランプタワーに13日、デモ隊が押し寄せ、100人近くが逮捕された。デモ隊は親パレスチナの学生活動家マフムード・カリルさんの拘束を糾弾するため集まった。カリルさんはイスラエルとイスラム組織ハマスの戦争に対するコロンビア大学での抗議活動に関わったとして、移民税関捜査局(ICE)に拘束されていた。
13日のデモは人権団体「平和のためのユダヤ人の声」による主催で正午過ぎに始まった。参加者はイスラエルへの軍事支援に反対するメッセージなどが書かれた赤いTシャツを着て、トランプタワーを象徴する金色のアトリウムに押し寄せた。
彼らはカリルさんの解放を訴える声を上げ、このような拘束を二度と行わないよう求める横断幕を広げた。
この後98人が逮捕され、50人は結束バンドを着けられた状態で警察車両に乗せられた。ニューヨーク市警が明らかにした。負傷者や建物の損傷は報告されていないという。
デモの主催者は、アトリウムを見下ろすバルコニーから抗議の様子をライブ配信していた。
警官隊がデモ参加者を拘束するため踏み込むと、参加者らは集団で床に座り込み、「パレスチナを解放せよ」「全世界が見ている」と繰り返し声を上げた。
この数日前、カリルさんはニューヨークの自宅で連邦捜査官によって拘束された。カリルさんは昨年12月にコロンビア大学の修士課程を修了。グリーンカード(永住権)を持っていたが、弁護士によると、グリーンカードはトランプ政権によって失効させられていた。
トランプ大統領は10日、自身のSNSで「もしあなたがテロを支持するなら、あなたの存在は我が国の国内及び外交政策の利益に反する。従ってあなたはこの国で歓迎されない」と投稿した。
カリルさんの弁護士は米政権について、カリルさんが「パレスチナ人擁護の声を上げた」ことに「報復した」と主張。言論の自由の権利を行使したために拘束されたと訴えた。
デモの主催団体の幹部によれば、参加者300人がトランプ・タワー内での抗議活動の計画を立てたのは実行に移す1日半前のことだったという。