少年サッカー監督、13歳少年殺害の罪で訴追 性的暴行被害多発の可能性 米カリフォルニア州
(CNN) 米カリフォルニア州の少年サッカーチームの監督が、10代の少年に対する殺人や性的暴行にかかわったとして罪に問われている。捜査当局は、ほかにも被害に遭っていた子どもたちがいるとみて、市民に情報提供を呼びかけた。
13歳のオスカー・ヘルナンデス君は、カリフォルニア州ベンチュラ郡の道路脇で今月2日に遺体が発見され、マリオ・エドガルド・ガルシアアキノ容疑者(43)が殺人の疑いで逮捕された。
ロサンゼルス郡のロバート・ルナ保安官は8日、ヘルナンデス君の家族と共に記者会見を行い、ほかにも被害に遭った人がいれば名乗り出てほしいと呼びかけた。
検察によると、ガルシアアキノ容疑者は子どもに対するわいせつ行為に関連した殺人の罪に問われており、有罪になれば死刑が言い渡される可能性もある。
捜査関係者によれば、同容疑者は米エルサルバドル出身の不法移民だといい、移民税関捜査局(ICE)は9日、同容疑者の拘束を求めていることを明らかにした。もし釈放されれば強制送還される可能性がある。
当局は監察医の捜査が続いていることを理由に、ヘルナンデス君の死因を公表していない。
家族がヘルナンデス君の行方不明を届け出たのは3月30日。ガルシアアキノ容疑者の自宅を訪れるため列車に乗った後に行方が分からなくなった。検察によると、ガルシアアキノ容疑者はヘルナンデス君を殺害して遺体を遺棄した罪に問われている。
保安官の発表によれば、ガルシアアキノ容疑者は同州シルマー地域の少年サッカーチームの監督をしていた。
検察によると、同容疑者については8日、性犯罪目的の暴行と14歳または15歳の子どもに対するわいせつ行為の罪状が新たに加わった。同容疑者は2022年12月10日、当時シルマーにあった自宅で10代の1人に性的暴行を加えたとされる。
これとは別に、24年2月22日には16歳の少年に対しても性的暴行を加えたとされる。
一連の犯行の性質からみて捜査当局は、ほかにも被害者がいる可能性が大きいと判断。ガルシアアキノ容疑者が関与した未届けの事件について、一般からの情報提供を呼びかけている。
ただ、トランプ政権が全米で移民の取り締まりを強化する中、被害者や目撃者が名乗り出ることに不安を感じる可能性もある。ルナ保安官は「理由があって名乗り出ることに不安を感じる若者や家族もいるかもしれない。たとえ在留資格がなかったとしても、我々はそのことを尋ねない」と強調。「どんな事情があろうと、すぐに名乗り出てほしい」と訴えている。