トランプ氏の関税方針転換、景気後退を防ぎきれない可能性 エコノミストが警鐘
(CNN) 米コンサルティング会社RSM・USのチーフエコノミスト、ジョー・ブルスエラス氏はトランプ大統領による唐突な関税方針の転換について、投資家にとっては歓迎すべきニュースかもしれないが、景気後退(リセッション)を回避するには至らない可能性があるとの見方を示した。
ブルスエラス氏はCNNの取材に対し、「米国経済が同時多発的に受けた衝撃の大きさを考えると、私の見立てでは(米国)経済は依然として景気後退に陥る可能性が高い」と説明。「今回の措置はもっぱら、米国の貿易相手国に科される見込みの懲罰的な輸入税を一時先延ばしするだけに過ぎない」とも指摘した。
RSM・USはこれに先立ち、景気後退の確率を20%から55%へ引き上げていた。ブルスエラス氏によれば、景気後退は今四半期中に起きる可能性が高い。中国からの輸入品にかかる関税がますます引き上げられ、米国の国内経済に影響を及ぼす可能性も高いという。
「顧客との個人的なやり取りを基に判断すると、多くの企業は関税の支払いに充てる現金の準備がなく、商品をそのまま港に滞留させておくことを選ぶとみられる」「この結果、有害な供給ショックによる経済全体の混乱が生じるだろう」(ブルスエラス氏)
90日間の猶予措置に加え、トランプ氏は一律10%の関税を維持する考えも示した。ブルスエラス氏は、企業は様子見せず「直ちに価格引き上げに動いている」と指摘する。