米移民裁判所、元コロンビア大院生の国外退去を許可 ガザ抗議デモで中心的な役割
(CNN) 米ルイジアナ州の移民裁判所は11日、永住権を持つ元コロンビア大学院生マフムード・カリル氏について、国外退去処分が可能との判断を示した。
9日に連邦政府がルビオ国務長官のメモを提出したことを受けた判断。このメモでは、カリル氏の「信条や発言、人脈」が米国の外交政策上の利益を損なう可能性があるため、国外退去処分にしうると主張している。
移民裁判所が「国外退去認定」を下したことは、当該人物の移民法違反や合法的な移民資格の欠如を理由に、国外退去処分の対象になると判断したことを意味する。カリル氏の弁護団は今回の判断を不服として上訴するとみられている。
カリル氏はニュージャージー州でも別の裁判で争っており、判事の判断を受けて直ちに国外退去処分になるわけではない。ニュージャージー州の連邦地裁判事はルイジアナ州での移民審問の直後、カリル氏の弁護団と司法省に対して電話で協議するよう命じた。
弁護団はルイジアナ州の裁判所の判断について、カリル氏の憲法上の権利を侵害しており、悪しき前例になると指摘した。
弁護団は審問後の記者会見で、「政府はマフムードが法を犯したことを立証できていないにもかかわらず、裁判所はパレスチナ支持運動を理由に、合法永住者の地位を剥奪(はくだつ)しうるとの判断を下した」と説明。「これは合衆国憲法修正第1条にあからさまに違反しており、言論の自由や政治的表現を信じるすべての人々にとって危険な前例になる」との見解を示した。
カリル氏は先月、トランプ政権の国外退去命令を受け、コロンビア大構内の自宅アパートの外で連邦当局に拘束された。
米国籍の配偶者を持つカリル氏は著名なパレスチナ人活動家で、昨年アイビーリーグ(米東部の名門大学)のキャンパスで行われたガザ地区におけるイスラエルの戦闘に抗議するデモで中心的な役割を果たしていた。