米、グリーンランドの基地司令官を解任 バンス氏の現地視察に続く措置

グリーンランドの米軍基地を訪れたバンス副大統領(中央右)と妻のウーシャ氏(同左)/Jim Watson/Getty Images

グリーンランドの米軍基地を訪れたバンス副大統領(中央右)と妻のウーシャ氏(同左)/Jim Watson/Getty Images

(CNN) 米国は12日までに、デンマーク自治領のグリーンランドにあるピトゥフィク宇宙軍基地宇宙軍基地の司令官を解任したと発表した。「本人の統率能力への信頼が失われた」ためとしている。先月下旬にはバンス副大統領がグリーンランドを訪問し、物議を醸していた。

国防総省のショーン・パーネル報道官は10日、X(旧ツイッター)への投稿でスザンナ・マイヤーズ司令官の解任を発表。「指揮命令系統の弱体化もしくはトランプ大統領の政策課題の転覆につながる行動が国防総省で容認されることはない」と書き込んだ。

3月下旬のバンス氏による現地視察の後、ニュースサイトのミリタリー・ドット・コムはマイヤーズ氏が基地宛てに電子メールを送付したと報道。その中でグリーンランド滞在中のバンス氏の言動に異議を唱えたとした。

ミリタリー・ドット・コムが報じたところによれば、マイヤーズ氏は電子メールで「現在の政治について理解しているなどと言うつもりはないが」としつつ、それでもバンス氏が視察時に口にした政権の懸念はピトゥフィク宇宙軍基地の実態を反映していないと主張したという。

宇宙作戦軍団からの報道向け発表によると、マイヤーズ氏の後任にはショーン・リー大佐が就いた。

今回の解任は、米国によるグリーンランド掌握に向けた動きが依然継続していることを浮き彫りにする。トランプ氏はグリーンランドを「どうにかして」手に入れると約束しており、バンス氏もグリーンランドの脆弱(ぜいじゃく)性を再三強調。米国には現地でのプレゼンスを強化すること以外「選択肢はない」と明言している。

バンス氏は先月28日、妻のウーシャ氏と共にグリーンランド北西岸に位置するピトゥフィク宇宙軍基地を視察した。その際もグリーンランドはデンマークではなく米国の安全保障の傘に入る方が得策だとの認識を表明していた。

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